ダフロン

2011年06月12日

彼女を言い負かすのはたぶん無理 2/うれま庄司

456967660X彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫 う 1-1-2)
うれま 庄司 しらび
PHP研究所 2011-06-09

by G-Tools

ディベートの天才少女アイラに心を奪われた主人公・桜井は、彼女が自分のことをどう思っているのか気になってはいるが、結局は聞けないまま時間が過ぎていく。そんな折、先日の騒ぎ(第1巻の公開ディベート)を起こした件で桜井とアイラが職員室に呼び出される。

 学校は楽しい。是か否か。

 現代人の必須スキル、ディベートを題材にした激論ラブコメ。

 『もしドラ』フイタw フィクションに実用性だとか、現実性だとかの疑問を持ってはいけない。
 度重なるディベート騒動により、ついに停学という処罰が下されてしまったにも関わらず、懲りずに退学の危険を犯すアイラを学校に引き止めるために奔走する主人公・桜井の繰り出す舌戦が熱かった。
 今回も相変わらず屁理屈を捏ねているディベート部ですが、密かにラブコメが進展していてニヤニヤ。

 『もしドラ』はドラッカーの『マネジメント』を高校野球を通して分かりやすく解説した、物の喩えであって、作者自身も『マネジメント』を読めば甲子園に出られるなんて思ってないですよ。読んでないけど多分。
 アイラへの恋心を見透かされて彼女に手玉に取られる桜井くんが痛ましいやら羨ましいやら。すべてが演技のようでいて、どこかに本音が混じっているのではないかと彼女の一挙一動に惑わされる。

 桜井の心配をよそに勝手気ままに振舞うアイラですが、でも、何にも縛られずに自由に生きるということはアイラにとっては己のアイデンティテイそのものなので、両者どちらの意見も否定し難くもどかしい。
 教育とはなにかを問いかけるクライマックスでのディベートは、どちらが正しいとか間違ってるとかじゃなくて、お互い胸の奥に溜まった意見を吐き出して、理解し合うためのものだったんだろうなぁ。

 つくづく増岡先生も嫌味な教師のテンプレだけれど、ここまでフルボッコにされてまだアイラたちに屈しないあたり根性があるというか、恥知らずというか、いいサンドバックだなぁ。
 アイラとようやく想いが通じ合った桜井でしたが、そうとは知らない橘までが桜井に・・・・・・。
 最後の最後でラブコメが急展開を迎えてきて、これは次回が非常に楽しみ。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スマッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。