うちの会長は荒ぶる虎猫に似ている。2 (HJ文庫) 空埜一樹 ろんど ホビージャパン 2011-06-01 by G-Tools |
戦力を強化することにした武人たち《裏生徒会》の面々。彼らはさっそく《鬼》の異名を持つ剣道部員の隠塚宗吉を勧誘するが、バッサリ断られてしまう。何やら事情を抱えていそうな宗吉が気になる武人。そんな中、裏生徒会に剣道部一の才媛である紫咲桜花から、宗吉に関する依頼が舞い込んで……!?
夢は諦めなければ叶う
学園を牛耳る生徒会の圧政に反旗を翻した裏生徒会のドタバタを描く青春学園ストーリー。
アンチ才能。驕り高ぶる天才たちに必死に喰らいつく凡人たち意地とド根性が熱い。
才能の壁にぶち当たり、道半ばにして夢を諦めかけたひとりの剣道部員の処遇を巡り、またしても生徒会と対立することになった裏生徒会の策士・タケトが繰り出す駆け引きの攻防に手に汗握りました。
このシリーズを読むと、人の夢や才能というものについて考えさせられますね。
相変わらず自由奔放で後先考えずに生徒会に食ってかかるミコだが、タケトを信じていればこそで、なおかつ、彼女のその信頼にしっかりと応えるタケトとの結びつきがなんとも爽快で心地いい。
なにかというと無闇にヒステリックにわめき立てる朱音とは、かなり差が開いてしまっているような。
【天才】だのなんだの言ってても、自分に好意を寄せる乙女心には鈍いんですからまだまだですなw
学校という場所は、才能を伸ばすための場であるが、まず人間を育てる場だと思うんですよね。
ラスボスである氷室が登場するたびに見えてくるのは、他人の気持ちがわからない彼の器の小ささ。
彼がどれだけ優れているかは知らないが、社会の大多数は凡人なので、彼の唱える完全実力主義こそ現実ではごく限られた者しかついてこれない理想論なんじゃないかな。何故それがわからないのか。
天才に弱点があるとしたら、それは自分に立ちはだかるものがいないという事なんじゃないのかな。自分が間違えていたとしても、優れているが故に誰もそれを正してくれないのは不幸だと思う。
そういう意味では、新しく裏生徒会に入ったメンバーは幸運だったんじゃないかな。ますますタケトのハーレムっぽくなってきてるけど、彼自身、相応しい魅力があるのでそれもよし。次も期待。