![]() | うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下 岩久 勝昭 富士見書房 2006-06-10 by G-Tools |
【立花山学園の一隅に佇む木造学生寮・うれしの荘への入寮日、甘利直志は本多瀬名に出会い、恋に落ちた。何かを決意してこの寮に来た彼女の抱える謎を解きたいと思う直志だが】
「強くなければ、生きてけない
優しくなければ、生きていく資格がない」
立花山学園に入学した甘利直志は、
満開の桜の下で出会った本多瀬名に恋をした。
亡き両親の跡を探しに「うれしの荘」へとやってきた彼女は、
直志の推理力を頼りに、ある謎を解くように懇願する・・・。
なにかよぎらないか
些細な日常の不思議や謎を解き明かす、
積極性はないのに妙に推理力のある甘利直志。
ヒロイン本多瀬名に感動すると手を叩くクセがあったり、
毎度エキセントリックなねーちゃんに引き回されたり、
過去に寮生と教師たちの間で紛争が起きていたりと。
どうみても古典部です、本当にありがとうございました。
作者はめぞん一刻がやりたかったらしいですが、
キャラ設定から物語構成まで、そっくりそのままじゃねぇか!
米澤穂信をさらに甘くしたような、爽やかなミステリです。
でも濃いめです
常に木刀装備してぶっ叩いてくるような従姉が寮長だわ、
マッチョがいたかと思うとオタク男や腐女子や幼児がいたり、
とくに代々刀工の一族で、いつもはゴスロリファッションで決めてる豪徳寺遊佐衛門春子なんて、どんなスゴキャラかと。
そして所々でナイスフォローを利かせるバンデラス(・∀・)イイ!!
でも、メインは直志と瀬名だろ! お前ら個性なさ杉!
ぶっちゃけ、こういうどいつもこいつも病んでやがるようなアパートものは好きですよ、ええ。
学園モノというには学校内の場面はほとんど無く。
「バイオ・グランプリ」四回受賞という経歴の、直志の植物萌え設定が話に絡まず、意味無く埋もれてしまっています。
エピローグ部分が冒頭に描かれていて、
ラストまで読んで初めて彼女の涙の意味がわかります。
ただ、最後が唐突に途切れているようですっきりしないな。
冒頭エピローグのさらにその後の顛末も書いて欲しかった。
生きる資格がなくとも、近年、死ぬ資格も必要らしいですよ。
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