ダフロン

2006年06月19日

ねじまき博士と迷い猫/樹川さとみ

408600772Xねじまき博士と迷い猫
樹川 さとみ
集英社 2006-06

by G-Tools

【人間嫌いの天才少年アレックスは、森の動物に育てられたリーという野生児をひきとることに。リーが屋敷に来て起こす大騒動に振り回されてばかり。おまけに博士はリーが実は女の子だと気づかないままで・・・】

「博士って、たのしみとかシュミとかないよね、
 何かほしいものってないの?」
「朝起きてメガネを探すためのメガネが欲しい」

このひねくれもの!


カラクリ作りの天才、少年博士アレックス。
屋敷に引き篭もって、おかしな発明ばかりしている彼は、
愛らしい顔に似合わず、人間嫌いのどうしようもない偏屈屋。
だが、彼のその小憎たらしいキャラクターや、大人顔負けの毒舌が逆に小気味いいくらいの爽快感を与えてくれます。
嫌いな相手に渡すくらいなら、大切な人形すらブッ壊す!

なんてへそ曲がりだ!

            ∩_
           〈〈〈 ヽ
          〈⊃  }
   ∩___∩  |   |
   | ノ      ヽ !   !
  /  ●   ● |  /
  |    ( _●_)  ミ/ <こいつ最高に大人げねぇ!
 彡、   |∪|  /
/ __  ヽノ /
(___)   /

            ∩_
           〈〈〈 ヽ
          〈⊃  }
   ∩___∩  |   |
   | ノ      ヽ !   !
  /  ●   ● |  /
  |    ( _●_)  ミ/   ・・・・・・。
 彡、   |∪|  /
/ __  ヽノ /
(___)   /


    ∩___∩
    | ノ       ヽ
   /  ●   ● |_
   | /// ( _●_) ⊂ ` ̄\ いや、俺も偏屈だけど、
  彡、   |∪|   ` ̄ ノ 正直こいつには負けるって
  /__  ヽノ   / ̄ ̄
 (___)     /

非常に頑固でセメントぶっていますが、
天才ゆえに世間ズレして、マジボケ気味な一面もあり。
無邪気に駆け回って騒動を起こすリーに感化されて、
段々とツンが丸くなっていくアレックスが可愛いですよ。

学問はできないけど心優しい友人のオリビエ。
彼の賑やかな双子の妹ディオンヌとダイアナ。
そして博士が作った、かぼちゃ頭の自動人形ジャック。
彼らと過すクリスマスの光景が、ほんわかとしてお気に入り。

一応、舞台は空中都市だし、星間航行も可能な未来らしい。
でも、中世を思わせる街並みや貴族制が残っていたりと、
絵本のようにまったり、ぬるぽなメルヘン風味の世界観。

まあそれはいい、樹川さとみはメルヘン作家だから。
こういうあくどい性格のファンタジーこそが旨味ですよ。
それにこの人がリアリティに走ると、ちょっとナニだし・・・。
「ブラインド・エスケープ」は例外的な傑作ハードサスペンスでしたが、アレは神の奇跡か、悪魔の仕業に違いない。

一気に読者を惹きつけるようなインパクトはないですが、
しばらくして、ふと読み返したくなる温かさがあります。
すでにいまから続巻が決まってるそうですが、
このままスケールが広がっていくなら期待できそうかな。

ってか、ジャックのポンコツ具合が好きだ。やはりパンプキン属は偉大だな。
ブラインド・エスケープブラインド・エスケープ
樹川 さとみ

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空ノ鐘の響く惑星で空ノ鐘の響く惑星で
渡瀬 草一郎

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posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(2) | 集英社コバルト文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-06-20 02:31

ねじまき博士と迷い猫
Excerpt: 天才少年博士・アレックスは不機嫌だった。なぜなら同じファーストネームの祖父の友人の養い子を引き取る事になったから。自分の研究の邪魔をされるのが何よりも嫌いな彼は子どもも大嫌い。だが、もし祖父だったら…..
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