ダフロン

2011年04月01日

空色パンデミック 4/本田誠

4047271330空色パンデミック4 (ファミ通文庫)
本田 誠 庭
エンターブレイン 2011-03-30

by G-Tools

仲西景の様子がおかしいことに青井晴は気づいていた。穂高結衣の発作に巻き込まれ続けた彼は、自らも「現空混在症」という病に蝕まれていた。幻聴や己の中の別人格に悩まされ、現実と空想の狭間で苦しむ彼は、やがて恋人の結衣の存在すら忘却してしまった。

 空想という名の怪物と戦う者たち

 自分の妄想の世界に周囲を巻き込む"空想病"の少女と普通の少年との妄想ラブストーリー。完結。

 ええ、てっきり第二部始まるぜーだと思ったのに、こんなところで完結だと……そうかこれは夢だ!
 度重なる空想病の発作の影響により、自我や現実感が曖昧になる「現空混在症」に罹ってしまった景が、友人たちの活躍により自分を取り戻し、現実と向き合っていく姿に感動しました。
 厳しい現実と優しい空想の狭間で苦しむ若者たちの精神を写し出したよい作品でした。

 いつもの様に結衣さんの思いつきで出かけた小旅行で、またしても空想病が発動して『美味●んぼ』のような料理対決を演じることになり、厄介事に巻き込まれたと面倒臭がる人もいれば、普段味わえない体験だと楽しむ人もいて、相変わらずの彼らだと笑っていたのに、その空想に巻き込まれた中西景がいつの間にか産まれていた別人格に成り代わっていたと知ったときは、背筋がゾッとした。

 「現空混在症」を患い、中西景と野中空の人格を行ったり来たりして、いま読んでいる場面が頭の中に閉じこもった景の『空想』か、周囲の人々が見ている『現実』か、それとも劇の台本か、大変混乱しました。
 さらには本物の道化が現れて穂高所長やメアリーまでも巻き込んで衝撃の事実を明かしていくのだから、何が真実で虚構なのかを読み解くだけで青息吐息。私程度の読解力では読み返さないと無理ー。

 読者を大パニックに陥れながら、綺麗なフィナーレを迎えてくれるあたり、すごいとしか言い様がない。
 そしてこの結末を見る限り、ワガママでいい加減な穂高結衣よりも真摯で健気な青井晴の方がどう見てもヒロインだろう……。そういえば今更ですが、景よりも森崎くんの方が好みのキャラであることに気づいた。
 ぶっちゃけ、景とか意志薄弱でウザイわー。森崎くんみたいに現実も空想もどちらも否定せず、楽しんで笑い飛ばせるようなそんな人間になりたいと思った。次回作は読んでて疲れないものをお願いしたい。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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