アイドライジング! (電撃文庫) 広沢 サカキ CUTEG アスキーメディアワークス 2011-02-10 by G-Tools |
アイドライジング。それはアイドルたちが己の夢と希望を懸けて戦う、新時代の一大エンターテインメント!各企業の科学技術の枠を集めて作られたバトルドレスをその身に纏い、美少女たちは華麗にステージを舞う。株式会社ミニテックスのアイドルになったモモは若手Pサイと共に難敵に打ち勝つことができるのか
戦わなければ、輝けない!
企業の技術の粋を凝らしたバトルスーツを着て戦う新人アイドルのサクセスストーリー。
可愛いくて綺麗なだけじゃない。ここまで燃えるアイドルは初めて見た。
美少女たちが企業PRを賭けて戦う競技『アイドライジング』の新人アイドルとしてデビューしたヒロイン・モモが、若手プロデューサーのサイと共に強豪相手に激戦を繰り広げる光景に手に汗握りました。
試合の外でアイドルの女の子たちがキャッキャウフフしているのがたまらない。ご馳走様です。
まず、モモの裏表のない元気溌剌としたキャラが愛らしい。アイドルたるものかくあるべし。
彼女のパートナーになったしっかり者のサイとの凸凹コンビっぷりも仲の良い姉妹のようで和む。
ライバルのアイドルたちも百合だったり、無表情だったり、負けず劣らずキャラが立っていました。
モモに一方的な敵意を向けるオリンも、始めはよくいる腹黒い性格の憎まれ役かと思いきや、いつの間にかギャグ担当になっていて、脚光を浴びるモモとは対照的に底辺から這い上がる姿にはからずも同情してしまった。
途中でアイドルを続ける理由が無くなってしまったモモですが、過去にアイドルを目指して挫折したサイの絶えないアイドライジングへの情熱に触れ、自らも試合で得た興奮と感動や勝利の達成感を呼び起こして、アイドライジングへの気概を新たにする情景が素晴らしかった。
モモの身体能力とサイの作戦、アイドルとプロデューサーが一心同体となってもぎ取った勝利に拍手。
設定自体は他でもすでにあるっちゃあるんだけど、それを抜きにしてもキャラに引きこまれました。
イマドキのラノベとしては男女の恋愛要素が薄いけれど、モモは百合百合している方があってるな。
女の子の世界を描いているけど、ドロドロせずにあくまで優しい甘さで、例えるならば、中身はなめらかな舌触りで表面は高温で焦がしたカラメルをきらきらさせたクリームブリュレのような美味しいお話でした。