子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき (角川スニーカー文庫) 玩具堂 籠目 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-01-29 by G-Tools |
生徒の悩みを解決に導くなるたまたち「子ひつじの会」の前に現れたのは、なんとメイド姿の女の子! しかも彼女の相談は“オムライスが殺しを呼ぶ怪事件”とやっかいな内容で、ところが、仙波はいつも以上に乗り気じゃなくて――!?
自分を許せるのは自分だけ
一般生徒から持ち込まれた悩みを仮定と推論で解決していく学園ミステリー。
◆第一話.VSかぐやテスト
国語の読解問題の論理パズルとは予想外だった。てっきりなんかの暗号が隠されているとばかり。
言われてみれば納得だけど、こんな問題が試験に出たらパニックになりそうな気がする。
でもまあ、文章の可逆性というのは、ミステリー小説における解答編からの伏線、布石の回収だったりと、実際に使われている技法だったりするので、場合によってはありか。
一方、小説における跳躍性は、結局ただの表現の欠如や放棄なので止めて欲しいけどね!
◆第二話.VSゴールドバーグ
オムライスから始まるバタフライ効果。なんだこの一方通行な客たちは、愉快じゃのう。
事件の発端と終端が依頼者の周囲の狭い範囲で巡り巡って繋がっているのが面白かった。
ややこしい恋愛沙汰より、こうした何気ない些細な日常の不思議を解いていくのもいいですね。
初登場の妹ちゃんカワエエなぁ。仲が悪いと言いつつ、お姉ちゃんがツンデレてるだけじゃね?
オムライスはソース派です。ケチャップライスが入ってるものにまたケチャップかけてどうすんだYO!
◆第三話.VS洞庭真君
ありのまま起こったことを話すぜ、ミステリーを読んでいるつもりがスポ根だった、どうしてこうなった。
これもう謎解きじゃなくてカウンセリングだよねぇ。いや、お悩み相談室だから間違ってないのか。
この手の問題は、なんでこの人たちはそんなことに深刻になって悩むんだろうかっていうね。
本人が悩もうが悩むまいが、それで何が得られて何が損なわれるのか。どっちでもいいよそんなん。
正しいとか、悪いとか、自分が気にしているほど、他人は気にしていない。それがわかると佐々原さんも自分の本当の気持ちに気づけると思うのですが、そこに行き着くにはもう少し時間がかかるかな。
成田を取り巻くヒロインたちの雰囲気が、徐々に変わっていきつつありますが、最後の二人組は一体……。ここにきてハーレム展開はいらんぞ。次回は、待ちに待った水着回ですか。それはください。