ダフロン

2011年01月22日

萌えるゴミは火曜日に/川波無人

4758042047萌えるゴミは火曜日に (一迅社文庫)
川波 無人 瑠奈 璃亜
一迅社 2011-01-20

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勇者の血統と信じてやまない酔狂な親父に育てられた主人公・英継。同じく魔王の血統を主張する酔狂な母親に育てられたヒロイン・魔亜子。両家の仲が悪いうえに、町でも学校でも疎まれがちなふたり。でもお互い事情は知っていて、仲良くなりたいと思い続けていた。

 魔王と勇者は戦わない

 ヤンキー魔王少女とヤリ捨て勇者少年の分別無用の王道ラブコメディ。

 魔王と勇者がひたすらイチャイチャと同棲生活をするだけの簡単なお話でした。
 残念な親たちのせいで周囲からレッテルを貼られ、嫌な思いを味わって育った主人公・英継とヒロイン・魔亜子が、お互いに惹かれ合い、親の影響から抜け出すために成長していく姿が眩しかった。
 ただタイトルが話の中身を1%も表してない。一迅社らしく『魔王と勇者は戦わない』とかでいいじゃん。

 学校や人目のあるところでは暴力的で狂暴なヤンキー少女の魔亜子ですが、英継と二人っきりのときは家庭的で健気な理想の幼馴染キャラという見事なツンデレぶりにハートを撃ち抜かれました。
 なにこの可愛いいきもの。なんだか無性に抱きしめたくなる、この湧き上がる衝動を抑えきれない。
 普段のツンツンも、それはそれで我々の業界ではご褒美です。一粒で二度美味しいヒロインでした。

 英継もいたって平凡な少年で、ただ穏やかに暮らしたいだけなのに、自分勝手な親父の因縁で完全なとばっちりを受けることになるわけですが、そんな不幸にも嘆かず、常に誰かのために、常に誰かを救うためにと考えられる彼こそ、血筋なんか関係なしに本当の「勇者」だと思います。
 もし幼い頃に助けられたのが英継だったら、冥皇も世界征服には走らなかったでしょうね。厄介事を生み続ける親父こそ勇者として討つべき悪の権化に思えてくる。

 しいて言えば、設定やリアリティが貧弱でキャラクターの勢い任せな面はありますが、そこそこ満足。
 作者は、エロゲのシナリオライターさんらしいですが、エロゲに詳しくない私は過分にして知らない。そっちの業界では知る人ぞ知る人なのかな? 今度エロゲマニアの友人に聞いてみよう。
 最近、魔王と勇者のロミジュリ系のラノベが増えてきたような気がするけど、やっぱりファンタジーにおける魔王と勇者の対立っていうのは、ロミジュリと親和性が高く感じられるのでしょうか。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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