ダフロン

2011年01月10日

薔薇のマリア 15 愛も憎しみも絶望も/十文字青

4044710236薔薇のマリア 15.愛も憎しみも絶望も (角川スニーカー文庫)
十文字 青 BUNBUN
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-28

by G-Tools

マリアローズの眠りを妨げたのは、輝く瞳の女。マリアはすぐにこの女が厄介事の種だと直感する。女は禁じられた技術に手を出して、組織から追われる機術師 マリアに満ちる嫌な予感…。風雲急を告げるエルデンで、蛍光緑のハニーとの出会いがZOOを新たな運命に誘う。

 迷い猫の大騒動

 無政府王都エルデンで暮らし、迷宮へ宝を探し求める侵入者たちの生き様を描く物語。

 ルーシーがすっかり思春期のエロ小僧になってる。昔は素直で可愛かったのになぁ……。
 追っ手に狙われる機術師・ハニーメリーの複雑な事情を知り、面倒になるとわかっていても、それでも見過ごすことができないZOOの面々のお人好しぶりが好きです。
 キャラクターそれぞれの恋模様の進展具合も少しずつ描かれていて微笑ましかった。

 お互いに素直になれずに意地を張ってしまったり、わざとおどけてみたりと微妙な距離を保ったまま、あと一歩を踏み出せない不器用なマリアとアジアンの関係がもどかしい。
 ユリカと飛燕のように開き直って付き合えれば幸せなのだろうけど、まだそこまで大人ではないんだろうなぁ。あーもうユリカ可愛い、ユリカ可愛い。飛燕は早く髭に殴られるべきだと思います。

 新顔のハニーメリーはやたらと強調されるお色気感とは裏腹に、知識の探求に対して純真で内面は案外幼く、リスクを怖れずブラックな組織にも飛び込んでいくところがなんとも危なっかしいですね。
 彼女を匿ったことで騒動に巻き込まれていくZOOですが、世界の騒乱を影で牛耳る存在が浮かび上がって、次第に他人事じゃなくなっていく怒涛の展開に思わず手に汗握りました。

 破壊されたZOOの家の惨状は、マリアたちの平穏な時間の終わりを予兆させますね。
 そしてサフィニアはもう彼女の方から押し倒さないと話が進まないような気がしてきた。
 さて次回、エルデンに迫る大部隊の進行にトマトクンやマリアたちZOOはどのように応じるのか。
 少しずつ解き明かされていく伏線と脇役たちの真実。結末が、楽しみです。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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十文字青 薔薇のマリア 15.愛も憎しみも絶望も
Excerpt:  昨日は冬コミ前に読んだ本の紹介と感想を書きましたが、今日は冬コミ中に読んだ本に掛かりましょう。  まずは十文字青先生の小説「薔薇のマリア」の最新巻「薔薇のマリア 15.愛も憎しみも絶望も」です..
Weblog: たかいわ勇樹の徒然なる日記
Tracked: 2011-01-11 14:14
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