ダフロン

2010年12月09日

ライトノベルの「○○ない」タイトルまとめ

「最近のライトノベルって、否定形で終わるタイトルが多い」と聞いて、ここ10年間で出版された否定形タイトルを調べてみた。

検索条件
@動詞の否定形(「○○ない、○○しない」)で終わる。
Aサブタイトルは含めない(シリーズは1作品として数える)
B少女向けはよくわからんから、少年向けのみ。


刊行順に並べてみた。

2000
僕にお月様を見せないで (1) 月見うどんのバッキャロー 電撃文庫 阿智太郎
Heaven's game ゲームデザイナーは眠れない 富士見ミステリー文庫 高山浩

2001
天国に涙はいらない 電撃文庫 佐藤ケイ
ルーンウルフは逃がさない! ファミ通文庫 新井輝
きみにしか聞こえない CALLING YOU 角川スニーカー文庫 乙一

2002
なし

2003
なし

2004
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet 富士見ミステリー文庫 桜庭一樹

2005
ぼくたちには野菜が足りない 畑に関するLesson1:それ絶対植えてみよう! スーパーダッシュ文庫 淺沼広太
僕らはどこにも開かない 電撃文庫 御影瑛路
僕は天使の羽根を踏まない 徳間デュアル文庫 大塚英志

2006
陰陽師は式神を使わない 陰陽道馬神流初伝・入門篇 スーパーダッシュ文庫 藤原京

2007
オオカミは懐かない!? ファミ通文庫 黒川実 原案:高崎とおる
量産型はダテじゃない! 富士見ファンタジア文庫 柳実冬貴

2008
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 電撃文庫 伏見つかさ

2009
七夕ペンタゴンは恋にむかない ガガガ文庫 壱月龍一
魔法少女を忘れない スーパーダッシュ文庫 しなな泰之
今日もオカリナを吹く予定はない ガガガ文庫 原田源五郎
鳳凰堂みりあは働かない! MF文庫J 石川ユウヤ
僕は友達が少ない MF文庫J 平坂読
1×10 藤宮十貴子は懐かない 富士見ファンタジア文庫 鈴木大輔
機巧少女は傷つかない 1 Facing "Cannibal Candy" MF文庫J 海冬レイジ
コトノハ遣いは囁かない MF文庫J 木村航
土属性はダテじゃない! 一迅社文庫 葉原鉄
ささみさん@がんばらない ガガガ文庫 日日日
探偵・花咲太郎は閃かない メディアワークス文庫 入間人間
しないの。 HJ文庫 鯨晴久

2010
ゆうれいなんか見えない! GA文庫 むらさきゆきや
桐野くんには彼女がいない?! 一迅社文庫 川口士
白鷺このはにその気はない! 一迅社文庫 早矢塚かつや
だから僕は、Hができない。 死神と人生保障 富士見ファンタジア文庫 橘ぱん
宝城瑠璃華は止まらない! 一迅社文庫 箕崎准
ツイてない! 〜悪魔のしもべはサキュバス男子〜 MF文庫J 三門鉄狼
Re:俺のケータイなんてかわいくない! 一迅社文庫 神尾丈治
秋津楓はアたらない 一迅社文庫 西村悠
死んだ女は歩かない 幻狼ファンタジアノベルス 牧野修
子ひつじは迷わない 角川スニーカー文庫 玩具堂
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ MF文庫J 鈴木大輔

 グラフにしてみた。
10120901.jpg

10120902.jpg


 2009年からのMF文庫とガガガ文庫が多すぎる!
 2010年になってからは一迅社や他のレーベルが二社に追随し始めたって感じでしょうか。

 ちなみに今回の検索条件ですと、HJ文庫は0冊ですが『死なない男に恋した少女』とか、『笑わない科学者と時詠みの魔法使い』みたいな、途中に否定を入れるスタイルはやってますね。
 (12/10追記:調べ直したら『しないの』がありました……。これもアリか)
 さらに『竜と勇者と可愛げのない私』や『神さまのいない日曜日』のように、否定形+名詞で終わるタイトルも含めると、もう1〜2冊は多くなります。

 ただ確かに否定形タイトルは多くなっているけれども、少年向けに限っても毎年500〜700冊近く出版されているラノベ業界でこの程度の数なので、実際それほど蔓延しているとは言い難くなイカ?
 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』や『僕は友達が少ない』のようにシリーズが人気化して、続巻が出版され続けてるから全体的にワンパターンになっているように錯覚しているのでは?

 またあえて否定形にすることでより強調されたタイトルになっているため、他のタイトルより見た人の印象に残ってしまっているというのもあるかもしれませんね。
 否定形タイトルの作品の一部がたまたま人気になっただけで、否定形タイトルそのものは決して多くはないし、必ずしも人気が出てるとは限らないんじゃないでしょうか。出版社や作家も「否定形タイトルにすると売れる!」みたいな勘違いをしなければよいのですが……。

 ちなみに否定形タイトルの元祖は何か?という話をどこかで聞きましたが、『ブギーポップは笑わない』が大元という意見に賛成です。あれは大ヒットしましたしねぇ。私は大嫌いですが。

 なんか抜けや間違いがあったらこっそり教えてください。こっそり修正します。

関連
○○は○○ない、みたいなタイトルのラノベ多すぎ
ラノベのタイトルはバリエーションが少ない

posted by 愛咲優詩 at 03:23| Comment(9) | TrackBack(0) | ラノベ評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深い記事でした。
そういえば、『アクセルワールド』の当初のタイトル案のひとつが『黒雪姫は止まらない!』(担当編集三木さん作)だったようですね。
川原さんがツイッターで「変えておけば私も今頃は《ない止めクラスタ》の一員だったのに…」と呟いていたのには笑いました。
Posted by t24 at 2010年12月09日 08:59
こんなのを見たら探さざるを得ないwww

「子ひつじは迷わない」(スニーカー文庫)

新刊漏れかな?w
Posted by むびょう at 2010年12月10日 00:01
>>t24さん
ヘタに否定形を使っても、十把一絡げになってしまうような。
『アクセル・ワールド』みたいに横文字タイトルもラノベのタイトル文化の一派でしたし、それはそれでいいんじゃないでしょうか。

>>むびょうさん
指摘ありがとうございます。
またグラフごと修正しなきゃ……。
Posted by 愛咲優詩 at 2010年12月10日 01:52
大本はブギーなんでしょうね。
上遠野さんは「ジョジョの奇妙な冒険」の大ファンだそうですが、となるとブギーポップのさらに元ネタは、やはりジョジョ関連の「ダイヤモンドは砕けない」「岸部露伴は動かない」辺りなのでしょうかね。
まあ、ライトノベルではないので直接は無関係ですけども。
Posted by クラボ at 2010年12月10日 21:06
全体でみれば少ないにしても、急激に伸びてるのは否めませんね。
「僕は友達が少ない」の「少ない」は否定形ではないのでは。
Posted by n_h at 2010年12月11日 09:23
こんなのされたら探すしかないw

こんな感じの考察大好きです。「ない」のゲシュタルト崩壊してますw
Posted by ask at 2010年12月11日 23:13
初めてコメントさせていただきます。

記事を興味深く拝見させていただきました。
自分も常々これは感じておりました。とくにMF文庫…。
ブギーポップが発売された98年には、他レーベルからも幾つか否定形タイトルが出たりしてましたね。
いわば「第一次否定形ブーム」だったのでしょうか。

私が否定形タイトルで思い出すのは、コバルトの氷室冴子先生で『少女小説家は死なない!』でしょうか。
1983年です(年齢が!)
Posted by SKIP at 2010年12月11日 23:55
>>クラボさん
まあ元ネタの元ネタまで遡るとテーマ違うので、ラノベ読みへの影響度の大きさという点で暫定元祖ということで。

>>n_hさん
確かに……。まあ「○○ない」で終わるタイトルを総称して『否定形』と私が勝手に読んでるだけなんで、そこのところは見逃してください。日本語難しい。
それにほら、『はがない』だけ仲間外れにしたら、作者だけでなくタイトルまでもぼっちなのかと可哀想ですしね。

>>askさん
ありがとうございます。
次回のゲシュタルト崩壊にもご期待ください。

>>SKIPさん
コバルト文庫や少女レーベルもちょっと探してみたんですけどね。
サブタイトルなのか、メインタイトルなのか判別つかないのが多すぎて今回はやめました。
20年以上も前となると検索するのが面倒すぎます……。
Posted by 愛咲優詩 at 2010年12月12日 02:09
この種のタイトルの元祖は「白鳥の歌なんか聞えない」だと思います。ひょっとしたらラノベの先祖かも。
しばらく下って「ダイヤモンドは傷つかない」が出てきますが、此方のもじりはいまだにあちこちで使われてる。
Posted by himat_ex at 2010年12月12日 19:17
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