ダフロン

2010年09月28日

すいーとブラッド/三原みつき

4840135150すいーとブラッド (MF文庫J)
三原みつき REI
メディアファクトリー 2010-09-18

by G-Tools

阿部春明が放課後の教室を出ると、月宮詩絵が目に入る。いつも制服ではなく白いドレス姿という派手な校則違反娘だ。しかし春明の目の前で階段を下りていった詩絵の姿が消えて!?不思議に思った春明が階段裏を調べた時から、春明はここ紅学園に隠された秘密に巻きこまれることに―。

 優しい嘘と甘いときめきと

 陰陽師の末裔の少年と天然吸血鬼少女の学園ラブコメ。

 タイトル通りバカップルがイチャイチャするだけの激甘なお話でした。糖分の過剰摂取に注意。
 ひょんなことからいつも孤独な吸血鬼少女・詩絵の眷属になってしまった主人公・晴明が、優しいウソで彼女と周囲の仲を取り持ってみんなを幸せにしようと奔走する姿が格好良かったです。
 まあでも、この主人公はよく全裸になるよね……。いや、ヒロインもそこそこえろかったけどね。

 年下の妹か娘のように懐いてきて、無防備にボディタッチをしてくる詩絵の愛くるしさに内心ドキドキ、ムラムラしつつも必死に冷静を保とうとお調子者ぶる晴明にニヤニヤ笑いが止まりませんよ。
 他のヒロインもワーウルフ、フランケンシュタインといった魔界の魔物ですが、人間社会に馴染んで妙に人間臭いようで、ときどきヘンテコな本性を見せる場面が可笑しくって親しみやすかった。

 嘘つきの晴明ですが、口先だけの薄っぺらいウソではなく、行動学や心理学を裏付けにした独自の分析とコミュニケーション術で関係を築いていく掛け合いがちょっと変わっていて面白かった。
 意見が異なる者同士の軋轢を、暴力によらずに話し合いで解決するなんてのは所詮は理想論かもしれませんが、その綺麗事を最後まで諦めずに貫き通すところに好感が持てました。

 優しいウソだけじゃ救えないこともあったけれど、結果的にはそれぞれが自分の心を見つめ直すこともできたし、これからは一人では辛い真実もみんなで支え合って乗り越えていって欲しいと思います。
 しかし、相手は魔物とはいえ、すでに手を汚してしまったかおるが、何事もなかったかのように魔界メンバーと混じっているのはちょっとすっ飛ばしすぎだと思うのだけれども……。

 ってか、同じ月の新刊でネタが被るのは止めましょうよ。調整しようなかったのか、MF文庫ェ……。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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