ダフロン

2010年08月22日

とある飛空士への恋歌 4/犬村小六

4094512268とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)
犬村 小六 森沢 晴行
小学館 2010-08-18

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級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、想い出の湖畔で思いがけず再会する。お互いの気持ちを確かめるため、正体を明かしたカルエルだったが、クレアには別れを告げられてしまう。多くの仲間を失い、疲弊した飛空科生徒たちは、悩みと苦しみを抱えたまま、再び決戦の空へ向かうこととなる。

 大空に響け、恋の歌

 空飛ぶ島『イスラ』に乗り、遙か西の果ての新天地を目指す飛空士見習いの少年少女たちの物語。

 生と死の極限の世界で描かれる壮絶な愛の物語に、胸の震えがとまらない。
 友人の死を悼む間もなく、またしてもイスラに空襲の危機が迫り、愛する少女たちを守るため、恐怖をこらえて再び死と隣り合わせの空へ飛び立つ少年たちの純粋な決意に熱い涙があふれてくる。
 ああ、彼らはただ自由に空を飛びたいだけなのに、どうして空はこうまでに残酷なのだろう。

 死んでいった仲間たちの遺志を受け継いで、彼らの分まで幸せに生きることのなんと辛いことか。
 戦友を失った悲しみを寄り添い合って必死に乗り越えようとするカルエルとクレアですが、お互いに知ってしまった相手の真実の前に二人の愛が壊れていく姿は見ていられなかった。
 憎しみに染まったカルエルの目を覚まさせるイグナシオの行動は荒療治でしたが、彼に憎むことの不毛さを気づかせたアリエルたちアルバス家の人たちは、やっぱり素晴らしい家族だなぁ。

 後悔であり、意地であったり、それぞれの胸に飛来する思いは違いますが、誰かのために飛ぶことを決めたノリアキとベンジャミンも死んでいった仲間たちから大切な何かを受け継いでいたんだろうなぁ。
 経験も少なく技術も拙い弱者である彼らが、唯一、持つことができる『勇気』を武器に命をかけてルナ・バルコを導き、その尊い犠牲に勝利で応える一千人の兵員に胸が熱くなった。

 ラ・イール王家への復讐に燃えるイグナシオはもう一人の主人公ともいえるキャラでしたが、もう少し早く存在を読者に明かして欲しかったかも。どうみてもツンデレです、本当にありがとうございました。
 センテジュアル組にモテフラグが立ちましたが、クレアの身の行方に懸念感。次で恋歌も完結とのことですが、彼らの旅路は無事に幸せの未来にたどり着くことが出来るのか……。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とある飛行士の恋歌4読みましたが面白かったです。
ただ、カルエルのクレアへの気持ちは愛だと思いますがアリエルへの気持ちはなんなのか未だにわかりません。アリエルからカルエルの気持ちは多分愛でしょうがカルエルからアリエルへの気持ちは家族愛だととりあえず考えています。
三角関係になると面白いのですが、おそらくそんな暇はないのでしょうね。次巻で最終巻ですから。
いずれにしろどうやって終わらせるかも含めて楽しみです。あとウミネコさんが出ることを祈って。
Posted by onihcu at 2010年08月24日 10:12
>>onihcuさん
私もアリエルへの想いは家族愛だと思います。
革命で家族を失った彼だからこそ、アルバス家の人々を守りたいという想いが強いのかもしれません。
というか、マザコンとシスコンの根っこにあるものは一緒なんじゃないかなぁと。
Posted by 愛咲優詩 at 2010年08月24日 23:58
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