ダフロン

2010年08月07日

サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ

4044740089サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ (角川スニーカー文庫)
土屋 つかさ 杉基 イクラ
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-08-31

by G-Tools

ネット上の仮想世界OZで、“キングカズマ”として名を馳せる佳主馬は、ちょっとドジなアバター“マキ”と出会う。しかも“マキ”の本体である真紀は佳主馬がいるネットカフェの隣席におり、彼女が兄から預かったデータを狙う男たちに襲われていた。真紀とOZを守るため、佳主馬と“キングカズマ”は戦いに挑む。

 OZの白い伝説

 OZ最強の戦士キングカズマがOZを守るために立ち上がる映画『サマーウォーズ』のスピンオフ。

 佳主馬きゅんマジキングカズマ! キングカズマフォロワーに俺はなる!
 偶然出会った女子高生・真紀と供にOZをサイバー犯罪の陰謀から守るため、多くの人々に助けられながら突き進んでいくうちに、戦う理由を見失いかけていた佳主馬に再び闘志が蘇る姿に燃えました。
 『サマーウォーズ』の世界観は、人と人との繋がりの力を魅せてくれるのが素晴らしい!

 普段は大人びてクールな佳主馬が、年上のお姉さんである真紀に振り回され、ドキドキしている様子が思春期の男子らしくてとっても可愛い。初々しい恋愛模様が青春でよいジュブナイルですね。
 『サマーウォーズ』本編の表の主人公が健二であれば、裏の主人公は佳主馬でした。そして今回はそれが逆転した形で佳主馬をメインに陰で支える健二の活躍も描かれていて、これには胸が熱くなる。

 そしてなにより、栄ばあちゃんの登場が心憎い演出! 相変わらず、このばあちゃんは素敵すぎる!
 大人に任せればもっと上手に事は運ぶだろうに、佳主馬を信じて彼の手で決着をつけさせてやるために、あえて少し手を貸すだけに留めるおばあちゃんの懐の大きさには尊敬の念を禁じ得ない。
 真紀が香水や携帯を大切にするのも、それだけ家族との絆に飢えていたからじゃないかなぁ。一人きりの食卓に慣れた真紀に温かい食事の団欒を与える光景もしみじみ感動しましたね。

 クライマックスでは、佳主馬がOZを自分の大事な物と思っていたことが嬉しかったな。
 【カズマ】を応援するアバターやOMCプレイヤーたちの画面の向こうの温もりや息遣いを感じました。
 『サマーウォーズ』本編ともいくつかのリンクや重なる部分も多くありそうなストーリーでした。
 徳川家康の軍を撃退した武田家の子孫の佳主馬の敵が、葵の御紋のアバターをしたイエヤスを名乗るのも何らかの暗喩のようにも思えますね。読み返してそうした伏線を探してみるのも面白そうだ。

 角川文庫から発売中の岩井恭平版『サマーウォーズ』と比べると、多すぎる登場人物の登場を絞ったことで地の文も読み易く、一人称も感情移入しやすくなっていたかと。
 すでに『サマーウォーズ』を知ってる人にも、これから『サマーウォーズ』を知る人にもオススメです。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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