猫物語 (黒) (講談社BOX) 西尾 維新 講談社 2010-07-29 by G-Tools |
それは美しき吸血鬼と出遭った春休みの後――空から女の子が降ってくる、少し前。おさげに眼鏡、成績優秀、品行方正、委員長の中の委員長、羽川翼。化物語のファーストヒロインである彼女が、ゴールデンウィークに魅せられた怪異とは!? これが阿良々木暦の初恋だ!
黒き翼は、闇夜に鳴く
怪異に魅せられた少年と少女たちがコミカルに繰り広げる新本格怪奇譚。
お兄ちゃん、また妹のおっぱい触ってるの!? 胸が手を揉んできたとか、新手の解釈すぎるぜ!
休日の朝から妹と下着を見せ合って、胸を揉み、足を舐めまわし、80ページ近くの猥談をして出た結論が妹から金を巻きあげてエロ本を買いに行くですか! マダラ木さんパネェっす!
世の中の妹の兄は、みんなこんなことをやっているというのか? 妹のいる兄貴とか、死ねばいいのに!
阿良々木くんの羽川に対する想いは、例えそれが好意であれ、性欲であれ、憧れであれ、なんであれすべからく恋として、愛として、芽吹く可能性があったんじゃないだろうか。
その自分自身の気持ちをどう育てるか、どう向き合うかで翼ENDかひたぎENDか結末も変わったと思うけど、ここで恋愛を理解するには、まだまだ阿良々木くんの人間強度は未熟だったんだろうなぁ。
考えて見れば、羽川翼も重い女でしたね。長年の家庭環境に抱えるものがヘヴィー。
彼女がブラック羽川となった引き金は、ストレスと障り猫だけでなく、阿良々木くんに気遣いをされたことも影響してるんじゃないかな。他人からの優しさや同情も、時には重荷に感じるでしょう。
完璧すぎる人間や善人すぎる人間は気持ちが悪いですね。羽川翼も鬱積が重なればキレもする。やはり彼女も人間なんだなと、それまでより少し身近に感じるようになりました。
GWの大部分は幼女に土下座して過ごしましたとか、さすが我らの阿良々木くんである。
忍も意表を突いたところで実に愛らしい姿を見せてくれましたし、いくつかの伏線の回収もありましたね。
というか、前半のファイヤーシスターズの存在が輝いて後半の羽川の登場シーンが浮いてるなぁ。
そしてまたもやアニメネタやら時系列を無視した設定ネタやら、セリフと地の文がメタメタしい……。
まあ、なんのかんの言いつつもたっぷり楽しんで読んでしまいましたが、これだけいい加減に書いているのに読者を満足させられるというのは凄いなぁ。猫パーセント趣味、侮れない。
次回の猫物語(白)は10月発売とのことですが、そのあとさらに6冊の刊行予定が決まってる…だと……!? いつも続きを書くのが嫌だ嫌だと語っているクセにノリノリの作者である。
アニメの第二期も決まってしまいましたし、止め時を見失っている感もありますが、頑張ってください。