ダフロン

2010年07月15日

隙間女(幅広)/丸山英人

4048686585隙間女(幅広) (電撃文庫)
丸山 英人 ミヤス リサ
アスキーメディアワークス 2010-07-10

by G-Tools

隙間女という妖怪を知っているだろうか? 都市伝説や怪談として聞いたことがある人も多いだろう。実は、僕の部屋に現れたのだ。その隙間女が──

 人間と妖怪の隙間に

 都市伝説、怪談をモチーフにちょっぴり怖いけれど、どこか愛らしいほのぼのオカルトストーリー短編集。

◆隙間女(幅広)
 家具の隙間に棲みつく「隙間女」が、部屋に居ついてしまった少年のお話。
 「隙間女」としては太ってしまったという針美に対して、お前は痩せすぎだ!と主張する、ぽっちゃり好きの少年・琢海との噛み合わない会話がとっても愉快です。
 妖怪「隙間女」ならではの非常識な習性もあって、どうやって人間を怖がらせるかで空回りして、あれはダメこれもダメと引きこもりニート化する針美のダメ妖怪っぷりが笑える。

◆消えない傷と恋占い
 顔に大きな傷を負ったしまった少年と負わせた魔女のお話。
 自分を傷つけた悪い魔女だと思い込んで戦々恐々としている吉山くんと、口調は堅いが一般的な女の子である黒田さんとの認識のすれ違いぶりが肝ですね。
 クラス全員を巻き込んだ騒動になったあげく、捻り出された事の真相に思わず顔がニヤケます。

◆デコは口ほどにものを言う
 浪人生の青年と人面疽に取りつかれた少女のお話。
 引っ込み思案だけど真面目な小石原さんとお喋り好きな人面疽のそーちゃんが、二人三脚で助け合って共存共栄している光景がとってもハートフルで和む。
 そーちゃんが残ったのも、幸太郎に言いたくても言えないことができちゃったせいじゃないかな。その方がちょっと素敵。いつか本当の想いを小石原さん自身の口から出せるといいですね。

◆花摘みの園で相席を
 花粉という苗字だけで男なのに「トイレの花子さん」になってしまった少年のお話。
 主人公とヒロインの出会いは女子トイレでした、ここだけ設定を切り取ると、主人公の花粉がとても変態だ。
 ひとり便所に入って飯を食うことに情熱を燃やす近衛さんが、なんともぼっち乙。
 いずれ花粉以外に一緒に弁当を食べれる友人を作れるように祈ります。

◆隙間女(飽和)
 ぽっちゃりを通り越してふくよかになってしまった「隙間女」を痩せさせるお話。
 「隙間女」としての意地やプライドはどこいったんだよ、針美ェ……。もうすっかりニート妖怪。
 自分の大好きなぽっちゃり系にしようと企んだ琢海にも主な責任があるような気がするが、奴のいうぽっちゃり系とふくよかの違いがレベルの低い私には分からない。普通のラブラブ同棲生活でした。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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