ダフロン

2010年07月06日

はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ/白川敏行

4086305542はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ (集英社スーパーダッシュ文庫)
白川 敏行 ふゆの 春秋
集英社 2010-06-25

by G-Tools

はるかかなたの星の物語がいまはじまる。女性顔が悩みの少年・ユウは入学式に向かう途中、不良に絡まれる少女・カティアと出会う。そこを超常能力〈換象〉を用い救ったのは、クリスという少年だった。親しくなる3人だが、ユウには秘密が…!?

 それは運命が導いた出会い

 それぞれに秘密をもつ3人の少年少女が出会い友情を深めていく学園ファンタジー。

 男の子なのにユウが可愛くて格好良くて悩ましい。ユウもヒロインに含めていいよね?
 それまでまったく別の国々で育ったユウ、カティア、クリスが入学式当日で初めて出会い、三者三様に秘密を抱える者同士刺激し合い、かけがえのない親友となっていく姿に壮大な運命を感じます。
 その他の教師や先輩といった登場人物も清々しいキャラクターばかりで好感がもてました。

 お人好しのユウと生真面目なカティア、大人びたクリスの仲良し三人組のバランスが好きですね。
 これまでの背景も性格も違った三人が、いい影響を与えあって成長していく関係が素敵です。
 三人とも人には言えない秘密を抱えているが故に一線を引いてしまう距離感がもどかしい。
 お互い微妙に意識しあっているユウとカティアの恋愛模様も甘酸っぱくて切ない。

 女顔なのに、はやくも生徒会長や美人教師相手にフラグ立ちまくりなユウがうらやましい。
 特に生徒会長のアレットは才色兼備なのにユウの前ではやけに無防備なところが可愛かった。
 組織の利益のために襲い来る敵に対し、お互いを庇い合うカティアとユウの姿に感動した。
 強大な力を持て余していたカティアですが、ユウと出会ってようやく自分の道が開けたかな。

 直球の学園異能モノですが、世界観やキャラクターの設定がよく練られていていました。
 ただしもうちょっと世界の広がりを詳しく実感させてくれるとさらによかったなぁ。今回は学園とその周辺だけで話が収束してしまったので、なんとなく物足りない。
 それにクリスの謎については中途半端にしか明かされていないので、続きに期待。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社スーパーダッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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