ダフロン

2010年04月02日

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係/西尾維新

4061826808零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)
講談社 2010-03-25

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兄弟になったばかりの零崎人識と無桐伊織は人類最強の請負人・哀川潤を勝算を持って襲撃する。その結果二人は彼女の『仕事』に巻き込まれる羽目に! 向かう場所は“殺し名”序列二位、闇口衆の拠点・大厄島、向かう敵は生涯無敗の結晶皇帝、六何我樹丸!

 殺人鬼の家族遊戯

 殺人鬼『零崎一賊』の鬼子・零崎人識と彼にまつわる人々との人間関係を描いた人間シリーズ最終章。

 お兄ちゃん大好きっ子・崩子ちゃんの妹っぷりが弾けまくってました。
 双識から託された伊織に対して兄として振る舞おうと努力する人識の成長ぶりが窺えますが、兄妹して馬鹿で脳天気なお笑いコンビの掛け合いが笑えます。
 人識のファッションセンスをカッコ良いと思っていた私の心にナイフがぐさぐさ……。お洒落じゃね?

 重体の身体なのに意味もなく意地張って無茶をして、潤さんは相変わらず思いつきで生きてますね。
 ひとつの油断が命取りに直結するこの世界でよくそれ生きていられたもんだけど、人類最強でも死ぬときゃ死ぬと割り切っているからこそ、あの自由奔放な生き様なんでしょう。
 けど、HPゲージ残り7%でどうやって元気百倍モードの真心ちんを躱せたんだろう。

 伊織はつくづくKYでしたが、さすがは双識の見出した逸材。あのバーサクっぷりは怖かった。
 殺人衝動のままに理性をかなぐり捨てて特攻するあの姿こそが真に零崎らしい零崎の姿なのかな。いつか本当に『自殺志願』の後継者として認められる日もくるのでしょうか。
 そして家族から背を向けても、決して家族の絆から逃れられない人識もまた『零崎一賊』に相応しい殺人鬼なのでしょう。双識にーちゃんの面影が浮かんで切ない。

 崩子ちゃんは一人ぼっちかもしれないけど、たくさんの家族に囲まれて愛されてますね。
 ただ、最後に六何我樹丸が急に崩子ちゃんを認めた心変わりの理由はよくわからなかったなぁ。
 折れない崩子ちゃんの兄思いの気迫に押されたというカンジでしたが、それだけでは弱い。
 そして、また戯言シリーズの後日談になっちゃってるなぁ。補完はいいけど別でやってください。
 さらに零崎が出張ってきて敵味方脇役誰一人として死んでないなんて、なんて事だ!
 西尾さん、新作の執筆も立て続けの上に『めだかボックス』の原作で疲れてるのかな(´・ω・`)

 あとがきでは好きな順番で読むように推奨してますが、個人的にはやはり友人に勧められた通り「戯言」→「出夢」→「双識」→「伊織」が正解でしたね。
 正直、「戯言」が一番つまらないからまず最初に読んでおいた方がいい。そして「出夢」→「双識」の順が時系列的にも合ってるし、敵が次第にスケールアップしていくので面白さが持続する。
 そして「伊織」で家族愛について語りつつ零崎一賊の行く末を暗示させて綺麗に引く。

 ともあれ、人間シリーズこれにて終幕。放浪の殺人鬼はまた再び何処へと旅立った。
 長きにわたってのシリーズ完結、お疲れ様でした。

 ところで付録についてきた『零崎一賊の人間コロシアム』だけど、結局どうやって遊べばいいんだろう。
 ここはラ管連TCG部員として、遊び方のひとつでも考えなければ……。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ノベルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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