GJ部(グッジョぶ) (ガガガ文庫) 新木 伸 小学館 2010-03-18 by G-Tools |
生徒総数千人を超えるマンモス高校、その木造旧校舎の一室にある正体不明の部、GJ部に強制的に入部させられた四ノ宮京夜。いつもの放課後、いつもの昼休み。四ノ宮京夜が過ごすのは、個性的な四人の彼女たちとの、ゆるふわな時間。今日もいつもどおりです…。
知力、体力、気合いときどきにやり?
個性豊かな4人の美少女たちとのゆるふわなひとときを描いた萌え四コマ的コメディ。
どこの生徒会か友達部かという日常系雑談コメディでしたが、終始ブレないノリがすごい。
1話がたった4ページのショート・ショートが淡々と続いていく読み応えのサクサク感がパネェ。
本当に短いけれど、こんなどうでもいい小さなネタひとつでよく話を作れるもんだなぁと感心した。
作業の合間や電車内、注文したお茶が運ばれてくるまでのちょっとした数分間に読むのに最適です。
話のひとつひとつでそれぞれのキャラの個性が際立っていてとても微笑ましくて可愛らしい。
いつもパワフルで賑やかなちびっこ部長さんだけど少女マンガのラブシーンが恥ずかしくて見れないとか、頭の良いクールな美人といった紫音さんが常識知らずの箱入りお嬢様だったりと、意外なところで見えない欠点というか、トボケた一面を持っていてとても親しみやすい。なにこの面白い人たち。
恵ちゃんは途中からあの天使の笑顔がもう小悪魔の微笑としか見れなくなった。酷い洗脳だ。
最後まで読んでもキララだけはよくわからない子だったけど、それが魅力と言えるんだろうか。
そして部内唯一の男子であるキョロは女の子に囲まれた中でいろいろ気を配って、本人は地味だが個性的なヒロインたちの存在で逆にその無個性が引き立つという理想的な主人公だったと思う。
個々のエピソードの掘り下げは浅いけれども、不思議とキャラの全体像はしっかり掴めれていました。
イラストも多く、凝った作になっていました。側面から見ると章ごとの索引がまるで辞典みたい。
「ライトノベル史上初の萌え四コマ的小説」というだけあって、まさに四コマ漫画を読んでるかのよう。
最近のライトノベルってほとんど単発か、3巻くらいでシリーズが完結するのが多いんですよね。
出版社側の事情があるわけですが、読者のニーズが短期志向になっているというのもあるでしょう。
完結まで何十巻も続くようなシリーズはちょっと買い辛いしね。
それにぶっちゃけ、メディアミックスを考えたときに小さく区切れた短編の方が展開しやすいんですよ。
最近の4コマ漫画のアニメ化が多いのは、製作者側は時間の尺の調整がつきやすいし、視聴者も気軽に見れるという合理性で成り立っている。
漫画ですらそれなのだから、変化の激しいライトノベルもその流れに乗らないわけがない。
ということで、この作品だけが特殊なのでなく、今後こういった四コマ的ライトノベルが出てくる可能性はかなり高いんじゃないかなと思ったり。続きを出せるなら、是非ともお願いしたい。