ダフロン

2010年03月11日

サクラダリセット 2/河野裕

4044743029サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)
河野 裕
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-27

by G-Tools

記憶保持の能力を持つ少年・浅井ケイと「リセット」能力を持つ少女・春埼美空は、管理局の要人に呼び出される。「魔女」と名乗るその初老の女性の能力は、未来を見ること。その役割は、咲良田の未来を監視すること。そして魔女は、自身の死期が近いことを知っていた

 過去と未来を繋げる絆

 三日分の時間を「リセット」することで現実世界の問題や困難を乗り越えようとする少女少年の物語。

 異能者たちの対決を描きながら、単なる異能バトルとならずに頭脳戦となっているのがすごい。
 かつてのケイの強さに憧れ、美空の持つリセット能力を奪うと宣言した岡絵里。お互いに相手の先を読み応じ手を打ち合う駆け引きは、あたかも囲碁か将棋の達人の試合を見ているかのようでした。
 パズルのピースをひとつひとつ当てはめていくような緻密で精巧な構成力に驚かされます。

 記憶保持とリセット。二人一緒でこそ最大の効果を発揮するケイと美空の関係は、能力だけで繋がっているわけでもないだろうけど、「リセット」を奪われ思わず揺らいでしまう心がとても切なかった。
 本当は男女が一緒にいるのに理由なんて必要ないはずだけれど、咲良田で暮らしている彼らにとって能力というものは、自分と切り離しては考えられない大切なアイデンティティなんでしょう。

 自分なしに能力はありえないし、能力なしに自分はありえない。未来視で咲良田を監視してきた「魔女」も、能力のために自分を押し殺せなかったからこそ、最後に自分を通すことを選んだんじゃないかな。
 リセットだけでは無理なことも異なる能力を組み合わせることで問題をクリアするケイの智略に脱帽ですね。よくもまあこんな完全犯罪じみた脱獄計画を思いつけるものだと感心します。

 未来視やリセットは万能に思えますが、村瀬の消去能力の応用性も幅広すぎますよね。
 能力消去を身体に使って、手に持っているものまで効果範囲に含まれるのは便利すぎる。
 リセットを無効にしたときも、本来なら地球は公転しているから時間を戻った村瀬は宇宙空間に放り出されてないとおかしいんですよね。
 その辺りの矛盾はリセット側の仕組みに理由があるのかな?

 さて、今回でシリーズの大筋が見えてきました。果たしてケイの望みは叶うのか、次巻に期待です。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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