ダフロン

2010年03月09日

アスカ 麻雀餓狼伝/吉村夜

4086305356アスカ―麻雀餓狼伝 (集英社スーパーダッシュ文庫)
集英社 2010-02-22

by G-Tools

憧れだった祖父の背中を追い、少年・アスカは麻雀の世界へ飛び込んだ。そこに今への漠然とした不安を覆す、本当の生き方があると信じて。そして、一人の美女との出会いが、少年を博打の更なる深みへと誘う。想像もしなかったような一世一代の大勝負。全てをつぎ込んだ戦いの結果は…!?

 艶麗に咲かせ、人生の華

 平凡な日常に飽いた少年が波乱万丈な人生を夢見て賭け麻雀の世界へ挑む。

 これは……すごい。騙し騙されのシビアな展開の連続に息を呑みました。
 競技目的としての麻雀勝負ではなく、あくまでも金を得るための手段としたイカサマや裏技アリの麻雀賭博。金のためなら仲間をも裏切る雀鬼たちの殺伐とした生き様にシビレます。
 選択を誤ればすぐさま金を毟られ地獄へと突き落とされる。その緊迫感がたまらない。

 シノブの指導で荒稼ぎできるようになって日常の生活が乱れていく部分は、「調子に乗んな、お前」と苦々しく思いましたが、その信頼していた相手に裏切られるとなるとさすがに同情を禁じえない。
 捨てられていたところをユキに拾われ、美少女中学生との同棲生活が幕を上げる!と、ようやくラノベらしくなってきたと期待したのに、たった一日で彼女も裏切りますか、駄目だコイツ……。

 もう一度這い上がるチャンスをくれたユキのため、いまよりも強くならなければいけないからといって持ち逃げはないわ。正直に事情を説明すれば、ユキも理解してくれたかもしれないのに。
 帰る家のあるアスカと違って家出人のユキには、生活のための同盟相手という以上に、一緒に暮らして安らぎを与えてくれる家族としてアスカを必要としていたんじゃないのかな。
 金を倍にして返すとかそういう問題ではないよ。例えそれでもユキの傷ついた心は治らないだろう。

 最後のリベンジ戦では追い込まれつつも、ギリギリの瀬戸際で勝利を拾いましたが、勝てたのは本当に運でしたね。これだからギャンブルは恐ろしい。
 しかし、アスカを嵌めたシノブですが、彼の実力と将来性を考えれば、裏切って目先の数百万を騙し取るよりも、信用を保っていた方が後々で得じゃないかな。彼女はそういう計算はできるタイプに見えたけど。もしかすると自分の利益よりも彼の才能に危機感を感じていたのかもしれないと思った。

 どこまでリアリティがあるのかは人それぞれだけれど、ラノベとしてはこれでいい。
 かなり麻雀をやってる人でないと牌効率とか、置いていけぼりにされるので素人にはお勧めできないのが残念ではあるが、雰囲気だけでも熱い臨場感を楽しめるのでそれでもイイと言う方は是非どうぞ。

posted by 愛咲優詩 at 20:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社スーパーダッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。