ダフロン

2010年01月21日

さくら荘のペットな彼女/鴨志田一

4048682806さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)
鴨志田 一
アスキーメディアワークス 2010-01-10

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俺の住む寮『さくら荘』は、学園の変人たちの集まり。そんな寮に転校早々入ってきた椎名ましろは、可愛くて清楚で、しかも世界的に有名な天才画家だという。だが、ましろは、外に出れば必ず道に迷い、部屋はめちゃくちゃ、ぱんつすら自分で選べないし、穿けない、生活破綻少女だったのだ!

 おとなりさんはジーニアスティック

 才能はあるが生活破綻者の少女の世話係になってしまった少年のボーイミーツガール。

 まさに青臭い春と書いてラブコメと読ませる青春小説でした。
 同じ寮に住む変人たちの変人っぷりに振り回される空太ですが、ちゃらんぽらんに見えてあれだけすごい人たちに囲まれていたら、凡人の自分に嫌気がさしてくさくさしたくもなるよね。
 才能ある女の子たちに劣等感を抱きながら、自分だけの何かを探し求める男どもの姿が切なかった。

 自分が年頃の女の子であることを意識してない、ましろの無防備な言動がたまらないですね。
 その度に理性と本能の狭間で葛藤を強いられる空太が苦悩する光景に最高にニヤニヤできた。
 美少女の飼い主になれるんだから、少しくらい苦労してもそれなりの役得もあるじゃないの。っていうか、明らかに役得の方が大きいだろ! そんなに嫌なら代わってくれぇえええええええええ!!

 天才だからといって、何もかもが思い通りに進むわけもなく、ましろにだって壁はある。
 壁を前にして諦めて立ち去るか、それとも壁を乗り越えるまで挑戦し続けられるか、そこが凡人と天才の違いなのでしょう。彼女が遠い存在なのではない、自分が逃げていただけなんだ。
 そうして改めてましろと向き合った空太も自分の劣等感という最初の壁を越えたんじゃないかな。

 ましろと空太の初々しいイチャイチャぶりは大変ご馳走さまなんだけど、ましろの意識変化がどの時点で起こっていたのかはっきりしないので、ラストのましろの恥じらいが唐突な感が。
 美咲と仁の先輩カップルも面倒臭くて素敵ですね。今後、この二人の進展も気になりますね。
 なにはともあれ、まずは一歩踏み出した空太のこれからの成長に期待かな。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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