![]() | 耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫) エンターブレイン 2009-12-26 by G-Tools |
『大ネルリの節句』来る! それによって『大ネルリ未来記』を継承したネルリは、未来記に基づきまわりに起こる出来事を次々に言い当てていく。半ばこじつけで人の未来を決めつけるネルリに辟易のレイチ達十一組の面々だが、そんな中、ネルリは自らの死を予言した……!
そして僕らは、大人になった
諸国の王族も通う"八高"で、個性豊かな問題児たちが繰り広げるドタバタ学園コメディ。完結。
一風変わったギャグコメディから始まったこの作品が、こんなにしんみりする最後を迎えるとは……。
ネルリに恋して必死に大人になろうと思っても、その思いだけでは現実はどうしようもなくて。もどかしい焦燥感を隠したまま友人たちとバカをやっているレイチの姿がとてもやるせない。
甘酸っぱいときめきとほろ苦い挫折を繰り返して成長していく登場人物たちの青春模様が見事でした。
ネルリが好きだからとイ=ウの告白を断るレイチがはじめて誠実な奴に見えました。
でもまあ正直そこでネルリ√はないと思った。物語を面白くさせるネタキャラとしては良いんだが、真面目に主人公の恋人として選ぶとしたら読者的にはイ=ウ√じゃないだろうか。
ネルリが可愛くないとまでは言わないが、恋人というよりは、むしろ厄介事ばかりを引き起こす妹ポジションのヒロインじゃない? どうも女の子として恋愛対象に捉えられなかったんですよね。
レイチとネルリのラブシーンもお互いに初々しいところはいいんですが、会話が淡泊ですね。
肝心な場面なのに、それで相手の気持ちを本当に理解出来ているのかなぁと不安になってくる。
レイチもネルリもそこまで心理描写が複雑なキャラではないからやり取りが表面的になるのは仕方がないですが、もう少し艶があってもよかったかも。そういえば、二人って喧嘩してたんじゃ? あれ?
エピローグでの再会が十一組の変わらぬ友情を感じさせて素敵でした。
大人になってみればわかる、大人も子供も実はそんなに変わらないってことを。でも、昔を思い出すと世界も自分も少しずつ変化していたことに気づく。そう悟ることが成長なんでしょう。
テーマは伝わってきましたが、それにしても最後まで厨二病臭かったなぁ。次シリーズを書く算段になったら、せめて地の文は真面目に書いてくださることを願います。


