ダフロン

2009年12月06日

シュガーダーク 埋められた闇と少女/新井円侍

4044748047シュガーダーク 埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫)
mebae
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-11-28

by G-Tools

えん罪により逮捕された少年ムオルは、強制労役で送り込まれた共同霊園で、自らを墓守と名乗る、美少女メリアと出逢う。死なない怪物“ザ・ダーク”を埋める穴を掘る日々のなかムオルは彼女に惹かれていくが――。

 闇よりも黒く、夜よりも深く

 人間の天敵"ザ・ダーク"を葬る『墓守』の少女とその墓穴を掘る『墓堀り』の少年の物語。

 スニーカー大賞の暗黒ラノベ枠。よくも悪くもライトノベルらしさからかけ離れたタイプの作品。
 自分の脱走に利用するつもりで墓守の少女メリアに近づいたはずが、いつしか彼女のために自分ができることはないかと変わっていくムオルのまぎれもない愛の強さに打ちのめされました。
 ページを読み進めるたびに背筋をゾクゾクさせてくる不気味な不条理感がよかったです。

 冤罪により墓掘りの苦役を任じられた元兵士の少年と共同墓地から出たことのない墓守の少女との心の交流。次第に明かされていく怪物"ザ・ダーク"と墓地との関係。魔物に翻弄される墓守の宿命から解き放つために少年が決断した選択、そして予想を上回る怒涛の急展開へと転がっていく驚きの結末に引きこまれました。

 ただ売れる作品かというと非常に疑わしいでしょうね、というのも物語の傾向からして特定の読者群を狙いに絞っていて、『ハルヒ』のような全年齢に広くウケる作品じゃない。
 好きな人は「まさにこういう作品を待っていた!」と絶賛するかもしれませんが、それ以外の大多数にとっては『愉快で楽しく、続きが待ち遠しくてたまらない作品』では決してない。
 角川スニーカー文庫というレーベルの方向性や特色を考えると、これを大賞に選ぶべきではなかったんじゃないかな。例えば、ガガガ文庫なら大賞でおかしくはないんだけれども……。

 後書き読んで、2巻の出版がすでに決定していることに驚いた。続けようがなくないですか……。
 うまくハッピーエンドにもつれ込ませて一巻完結させているように思えましたけどね。これより先は無罪になってメリアと城に住んで一生キャッキャウフフしている絵しか想像がつきません。
 「アニメ化も視野に入れている」とか受賞式で言っていたらしいですが、『ハルヒ』とこの作品を同列に扱っている編集部や審査員は気が狂っているとしか思えない。

 なんというか、紅玉いづきのときの電撃大賞と同じ轍を踏みそうだ。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うーん、方向性からいえばハルヒの方が異端のような気がしますけど。
まあ確かに万人受けはしないでしょうね
Posted by ゲト at 2009年12月13日 10:21
角川スニーカーって、学園物や現代ファンタジーがやたら多いんですよ。
だからハルヒは角川スニらしいと思っています。
Posted by 愛咲優詩 at 2009年12月14日 01:05
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