ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J) メディアファクトリー 2009-11-21 by G-Tools |
僕の名前は小山萌太。ごくごく普通の高校二年生、のはずだった。、おかしい! なぜ僕はゴミ箱の中に入っているんだ!? しかも出られなくなってる! そんな僕の前にクラスメイトの少女・水無氷柱があらわれる。そして彼女は言った。「あなたは、妖怪ゴミ箱男よ」って、なにその残念な妖怪!?
ある日、妖怪ゴミ箱男となってしまった少年がゴミ箱から出るために奔走する学園コメディ。
これは学園ラブコメ……か? 笑いのポイントが全然わからんかった。
ゴミ箱に入りっぱなしの主人公というのはユニークな存在ではあるんだけれども、果たしてそれが面白いかと訊かれると首を傾げずにはいられない。ぶっちゃけ、だからどうした。
ゆるゆるシュール系というわりには変なところでドタバタとシリアスしてるし、なんか落ち着かないな。
キャラ同士の会話のキャッチボールは軽快でいいが、全般的にギャグが寒い。
水無様の魅力はフトモモよりも暴言だろ! 毎回毎回ギャグはその暴言ネタしかないのか。
作中では一週間も経っていないのに人間関係の構築が早くて、急にデレていく水無様に違和感。
萌える太もあそこまで水無様に理不尽に振り回されれば、少しぐらい反発したり反感を持つのが普通じゃない? なのに「水無に格好悪いところは見せられない」って、思えるものかな。
愛や友情は過ごした時間で決まるわけではありませんが、量より質にしても薄い感じ。
そもそもコンプレックスと妖怪化の因果関係が萌える太だけおかしくない?
「自分はゴミのような存在だ」と思っているから萌える太が「ゴミ箱男」になったんだとしたら、「自分は誰からも頼られない」と思っている水無様は「頼られない女」にならないとおかしい。
同様に、「自分は優柔不断」だと思っている火神は「はっきりいえない男」、「自分の体形」にコンプレックスがある郷右近は「ガリガリチビ男」になっていないと辻褄が合わなくないですか?
つーか、目からビーム男とか、いったいどんなコンプレックス持っていたんだよ!
萌える太や水無様たちが妖怪になった原因にしても、そのメカニズムにしても本当にしょーもない。
最初に登場人物たちの問題を提示しておいて、最終的になんにも問題が解決されていないので、不完全燃焼な感じ。人は誰でもコンプレックスを持っていて、どんなに辛くて解消できずともみんなそれを隠して日常を過ごしている、というようなことを伝えたかったのかなぁ。結論が謎。
まあ作者には津々浦々叩きたいところだらけなのですが、絵師は大好きです。
個人的にはきらら枠には『かなめも』なんぞよりも『あっちこっち』をアニメ化して欲しかったんだぜ!
大ファンなのでリンク張っておく。
おこた(仮)