![]() | ソード・ワールド2.0 剣をつぐもの3 (富士見ファンタジア文庫) 富士見書房 2009-11-20 by G-Tools |
“蛮王の剣”に呪われてしまった少年アレク。その“穢れ”を祓わねば生ける屍と化してしまうことから、解呪を目指し旅を続けているアレクとリリアンナたち。一行は、ザルツ地方で最大規模を誇る帝都ルキスラを訪れ、ライフォス神殿に解呪を依頼することにしたのだが―。
在りし日の幻影を斬れ
"剣の創りし世界ラクシア"を舞台に人間と蛮族の命運を握る魔剣を巡る少年少女の冒険の物語。
魔剣インフレ? 次から次へと新しい魔剣が出てくるなぁ。チート性能同士のぶつかり合いが面白い。
魔剣の呪いを解くためにライフォス神殿に訪れたら国家ぐるみで魔剣を奪われそうになり、囚われのところをレジスタンスに助けられたものの、これまた魔剣の力を利用することしか考えていなくて、また逃げ出して……と、二転三転する展開が巡るましくて飽きさせない。
魔剣の復活が知られるようになれば、当然その力を悪用しようとする人間も出てくる。
蛮族の勢力が強まってきているのに人間同士で権力争いなんかしてる場合じゃないってのに。
皇帝ユリウスも帝国の版図拡大のための軍事転用を企んでいるのかと思いきや、魔剣に取り込まれた父親に引導を渡すため、その身を犠牲にして立ち向かうという、ダークヒーローぶりが格好良かった。
魔剣によって悲劇に見舞われたのはダリウスも一緒ですが、そのままヤサグレてしまったダリウスと違って、ユリウスはそこから一人で立ち上がったんだよなぁ。やはり国を背負う者の責任感なのかな。
というか、今回はダリウスとユリウスがいつのまにかストーリーの主役になっていて、アレクは最後に出てきてソードブレイカーを一回振るっただけでした。楽してるなー主人公
まあそれを言い出したら、リリアンナなんて封印を解いただけですね。若者組の出番がなさすぎる。
ダリウスとユリウスの過去が交錯して明かされて、物語のターニングポイントになってきているけれど、ここにきて魔剣が大放出で早くも次巻あたり最終巻な雰囲気がやばい。
できれば、もうちょっとアレクとリリアンナにラブ寄せにページを割いて欲しいですね。お互いに意識はしているみたいだけれど、そんなにロマンスが進展しているようには思えないなぁ……。
魔剣なんかどうでもいいから、アレクもリリアンナももっとお互いにフラグを立てるんだ!