ダフロン

2009年10月28日

烈風の騎士姫/ヤマグチノボル

4840130531烈風の騎士姫 (MF文庫J)

メディアファクトリー 2009-10-23

by G-Tools

負けず嫌いな少女・カリーヌは、幼い頃助けてくれた騎士に憧れて、自分も立派な騎士になるのが夢。女では入れない誉れ高い魔法衛士隊に入るため、名をカリンと改め、男装して王都に向かうが、ついた早々、サンドリオンと名乗る貴族ともめて決闘をする羽目に。

 騎士の誇りと乙女心を胸に

 騎士に憧れ、男装して騎士団に入った美少女と仲間たちの繰り広げる魔法冒険活劇。

 『ゼロの使い魔』の外伝的な位置づけかな。名前からしてルイズのママの若いころのお話ですね。
 騎士に憧れて念願の魔法衛士隊に入ったものの女嫌いの先輩騎士サンドリオンと同居することになり、表面では男らしく振舞いつつも内心では女としてサンドリオンの存在が気になっていくカリーヌの揺れ動く乙女心がなんともいじらしい。

 ストーリー自体は『三銃士』のパロディですが、肝心の三騎士は本家三銃士以上放蕩者ですね。
 色事好きでナルシストなナルシス(ギーシュの親父?)に、美少女に弱い筋肉男のバッカス、そして女嫌いで変わり者のサンドリオン。さらには生真面目で勝ち気なカリーヌまで加わって、それこそみんな個性がバラバラなのに何故か不思議と噛み合っている関係が愉快だった。
 彼らは彼らなりに自分にないものを相手に見出して、お互いに認め合っているんでしょうね。

 才能はあるけれど精神的に未熟なカリーヌの無鉄砲ぶりは、サンドリオンからしてみれば自惚れていた過去の自分を見ているようで黙っていられなかったんだろうな。サンドリオンの告白からカリーヌも「勇気のおまじない」に頼らず恐怖に立ち向かう意地を見せてくれたのがよかった。
 騎士に大切なのは恐怖を感じないことじゃない、恐怖から逃げないことですよね。

 ノワールの正体はサンドリオンの辛い過去を堀り返すことになりましたが、見方を変えれば長年彼を苦しめ続けたトラウマと決着をつける機会に恵まれたとも言えるんじゃないかな。
 今度はカリーヌに本当の勇気を見せる番です。騎士として誇り高い姿を見せて欲しい。
 大公もまだまだ影で暗躍しているようだし、これからの活躍が楽しみですね。できれば、『ゼロの使い魔』本編とも平行して続いていって欲しいものですが。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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