ばけてろ 成仏って、したほうがいいですよね? (角川スニーカー文庫 182-51) 角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-10-01 by G-Tools |
放課後の学校で首吊り死体の幽霊を目撃した千夜子(巨乳)はオカルト好きの友人メルカ(さらに巨乳)と共に、霊能者・刑天文院景敦(やる気なし)を訪ねるのだが……。幽霊、宇宙人、雪女、ロボット、エルフと何でもあり! ポップでクレイジーなオカルトゆるコメディ!
青春をおかしくするのはオカルトだ
頭が悪い空耳娘とオカルト熱愛娘とグータラ霊能少年のゆるゆる退魔コメディ。
十文字青だというのに軽くて読みやすいラブコメ。『ぷりるん』や『ヴァンパイアノイズム』を読んだ後だったのでどんなドロドロが来るかと警戒していたら、あまりのユルさにずっこけた。
要所要所で隙あらばセクハラを試みる主人公・景敦が自重しない奴だが、オカルトの為とあらばプライドをかなぐり捨てるメルカさん、可愛いです。全体的にエロい上に巨乳率が高いなぁ。
高校にも行かず屋敷内に引きこもって暮らしているちょっと根暗な景敦くんですが、オカルト好きで強気なメルカの気迫に負けずに丁々発止の掛け合いを楽しませてくれる。
一方、いつもボケ倒しな千夜子の噛み合わない会話はときにウザくもあり、それが面白さでもあった。
自称宇宙人のミポルは、個人的に好みのロリではあるんだけれど、存在自体が世界観を崩壊させますね。いろいろとやりすぎが目に余るキャラでした。
オカルトよりも、ゆるふわご近所コメディが物語の大部分を構成していますね。
ヒロインたちがいるところで景敦秘蔵のエロDVD観賞会とか、止めてあげてー! あまり思春期の男の子の生態について突っ込んだ議論はしないでください。男もつらいんです。
見終わった後で、お互いにショックを受けて傷ついたような気持ちになるのは、きっと彼らがまだそういうものを平然と受け入れられるほどには精神的に大人ではないのでしょうね。その青さが甘いわー。
スニーカー連載の短編に書き下ろしを加えたということなので、ぶつ切りチックなスタートになってしまっているが、これからシリーズとして連載が始まるようなので次回でうまく一本にまとめてほしい。
霊能者として圧倒的な能力を備えている景敦だが、自分の家柄や血筋にコンプレックスを抱えているようで、それが今後の千夜子やメルカとの交流でどう変化していくかが興味深い。
千夜子、メルカ、ミポルともに景敦を意識しているのでそちらの恋愛模様の進展にも期待。だが、くれぐれも修羅場は要らない。十文字青のドロ沼はマジでシャレになんねーっす!
ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫) by G-Tools |
ヴァンパイアノイズム (一迅社文庫 し 1-7) by G-Tools |