ダフロン

2009年10月02日

インポッシブル・ハイスクール/葛西伸哉

4840130272インポッシブル・ハイスクール (MF文庫J)
メディアファクトリー 2009-09

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新法により、高等学校が個性的に特化していった“現代”。学生自治組織“キャビネット”の捜査官・秋月凱は、新しい任地(学校)に潜入していた。そこは恋愛を授業に取り入れた、恋人同士が優遇される校風。思うように捜査が進まない凱の前に“正義の味方”を名乗る美少女・春日部弐華が現れ。

 恋人たちの楽園へ、潜入せよ

 新たな学校法を悪用する高校の不正を暴く、潜入捜査員の少年少女のドタバタ・スパイ・コメディ。

 正反対な二人なのに、これがどうして息の合ったデコボココンビっぷりが面白かった。
 『正義の味方』を自称し力技で突っ走る弐華に対し、合理的で地道な捜査を訴える凱が振り回されるドタバタ感はよく出ていましたが、それにしてもボケとツッコミの掛け合いがやたら多いよ!
 夫婦漫才のようで、これはこれで楽しいんだけれど、それを取り外したら何も残らないという・・・・・・。

 当初、弐華の短絡的な言動やことわざの間違いにはイライラさせられましたが、悪党相手に啖呵を切る姿は、さすがは『正義の味方』というだけあり無駄に演出が格好いい。
 まさに相手が言われたら地団太を踏んで悔しがるようなツボを捉えつつ、読者の言いたい事を見事に代弁してくれる。あまり賢くはなく器用でもないが真っ直ぐなキャラは小気味よかった。

 スタンドプレーに走りがちな弐華に文句たらたら凱だけれど彼も完璧というわけではないですよね。
 あんな傍若無人な姉妹の下で育ったのなら女子に幻想を抱けなくなって女性不信になるのも仕方がないが、その姉妹たちが特別であるというのは理解しているのかな・・・・・・。
 凱も弐華も家族の事情で恋愛観が偏ってるけど、せっかく恋愛学を教えてくれる高校に在籍してるんだから、矯正してもらえばよかったのにと思う。さらにラブ寄せがあれば設定も活きたかと。

 しかし、弐華が『正義の味方』にこだわる理由がいまいち伝わりませんでしたね。
 それに事件そのものもとても単純でなんら面白味を感じさせるものではありませんでした。
 掛け合いで文章量を嵩増ししていて、スパイ捜査という本筋のストーリーが忘れ去られてる。
 スパイものなら、もっと一難去ってまた一難のサスペンス風味にしなきゃ駄目なんじゃない?
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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