ダフロン

2009年09月21日

えでぃっと! ライトノベルの本当の作り方?!/箕崎准

4758041040えでぃっと!―ライトノベルの本当の作り方?! (一迅社文庫 み 4-1)
一迅社 2009-09-19

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一迅社文庫大賞を受賞し、ラノベ作家となった高校生羽沢雛太。ある日、僕の新担当としてやってきた編集者は、僕と同じ高校一年生の美少女、片桐文香だった。さらには次回作のイラストレーターが同じ学校の芸術科に通うお嬢様。宝泉院弓佳だと判明して、また新たな騒動が…。

 こんな作家生活したかった!

 現役高校生のライトノベル作家と編集者、イラストレーターの少年少女が贈るドタバタラブコメ。

 「これは酷い!」とラノベサイト界隈で物議をかもしている今作ですが、個人的にはアリでしたね。
 ラノベ業界をネタにした作品はすでにいくつか出ていますが、この『えでぃっと』のは内輪ネタどころか暴露本に近く、仮名で登場するリアル作家や一部の業界人には"笑えない"作品らしいですが、そんな薄汚れた裏社会とは無関係な私には作家や編集者の実態を笑って学べるよいラブコメでした。

 締切間際の雛太を苦しめた作品のネタ被りですが、過去の映画にひとつやふたつ被ったところがあっても現実は読者が目くじらを立てるほどのことではないんじゃないか。
 問題とすべきは「最近はこの傾向の作品が売れているから、方向性はこれでいこうと」とか、わざとプロットを似せて作るパターン。利益重視の作品作りは、思惑が透けて見えるんですよねぇ。
 
 イラストへの批評によって思い詰める弓佳ですが、大勢から「失望した」、「裏切られた」と言われるのは、それだけファンに大きな期待をされている証拠でしょう。
 ですが、言わせてもらえば酷評されたくらいでいちいちスランプに陥っている作者や絵師は覚悟が足りなさすぎますね。仕事に対して他人から文句を言われない仕事なんてありません。社会に出ればそれがわかります。作中で先輩作家たちが大学卒業後の就職を勧めるのも、それを経験させたかったのではないかな。

 暴露らしい暴露は前半に集中していて、後半はいたって普通のラノベらしいウフフ展開の嵐。
 美少女三人と一緒に温泉宿で合宿とか、湯上りの浴衣姿がうらやまけしからんエロさ。
 担当と絵師と幼なじみとで四角関係なんて、ラノベ作家がこんなリア充なわけがない。つまりはそういう理由で、リアル作家や業界人は自分の現状と比較してしまって笑えないんですね、わかります。

 ドタバタを繰り広げながらも力を合わせ、ときにはぶつかり合いながらもひとつの作品を作りあげていく4人+1柱は、なんだかんだいいチームじゃないかと思ったり。
 全体的にコミカルなようで雛太の家庭環境だけヘビィなのがちょっと浮いているカンジでしたが、それより酷いのはサブカルネタの出現頻度が、どこぞの逆書評ラノベを凌駕するレベル。

 こういう作品を読むと、元ネタを解して並べて揃えて晒してやりたくなるのは私だけだろうか。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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