デウス・レプリカ (HJ文庫) にのまえあゆむ ホビージャパン 2009-09-01 by G-Tools |
神村悠が学校の屋上で昼寝から目覚めたとき、彼の目の前にいた同級生の少女、柊美鈴。美鈴は探している大切な物を悠が持っているのではないかと聞くが、悠には皆目見当がつかない。そして何も判らないまま、連れて来られた古ビルの一室「萬屋探偵事務所」で悠を待つものとは?
ヒロインの美鈴に魅力を感じない。むしろこんな女のどこに惹かれる要素があるというのか。
とくに会話能力の欠如が酷かった。まともに主人公とのコミュニケーションが取れておらず、また取る気がないのか、一方的で人の神経を逆なでするような言動にイライラさせられっぱなしでした。
人の話を聞かないし、場の空気を読まないしで男子にも女子にも嫌われる女の典型でしょうね。
様々な勢力が巡って争う神器を模した道具・リメイン・マターを回収するという危険な仕事に従事している理由にしても、「思い出作り」というのは行動原理としてあまりに弱いなぁ。
護衛のためにいきなり同居を始めて、猫被って家族に気に入られて、お昼のお弁当まで作ったりして、いくらなんでも早急じゃない? 私生活に侵入してくる馴れ馴れしさが気持ち悪い・・・・・・。
悠の如意宝珠の能力にしても、人間の心や魂は作れないのに、神や悪魔は作れるというその理屈に納得がいかない。普通に考えれば、逆なんじゃない?
魔術だの、神器だの、超能力だのはいくら出しても構わないが、リアリティや説得力がない。
不死者に関しては首切るなり、火山の噴火口飛び降りるなりすればいくら不死身でも死ねるだろうよ。
悠の如意宝珠をわざわざ狙う必要性はない。というか、千草を救おうとしていたそぶりなんてどこにも見えなかった。後付けで無理矢理いい子にしようとしてないかなー。
物語の終盤に現れて主人公の手では解決困難な問題をすべて簡単に解決してくれる便利キャラを『デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)』といったりしますが、この所長がまさにそれだよ!
太刀鞍だけでも十分にチートなのに、決着のついた後にしゃしゃり出てきて何でも都合よく解決してしまったら、悠たちの戦いはなんだったのか分からなくなるじゃないか。とてもしらける。
それまでの話の展開を無駄にする強引なハッピーエンドなんてどんな読者も求めていない。
すべてがいまひとつだなぁ。作者の感性やバランス感覚が悪いんだと思う。もっと本を読むべき。