ダフロン

2009年08月31日

迷い猫オーバーラン! 6 拾った後はどうするの?/松智洋

4086305003迷い猫オーバーラン!〈6〉拾った後はどうするの? (集英社スーパーダッシュ文庫)
集英社 2009-08

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卒業式を経て、同好会は卒業旅行を計画。しかし、そこには夏帆の危険な思惑が。唯一、夏帆の策謀に気づいた文乃の孤独な戦いが始まる!?同好会の命運はいかに。文乃の親友、叶絵が投げつける課題に巧はついに、男の決断を迫られる!?日常系ハイテンション学園ラブコメ、第六幕開演。

 みんな大切だから、捨てられない

 親からはぐれた迷い猫の少年少女たちが繰り広げる、恋と友情の日常系ラブコメディ。

 季節は卒業シーズン。大きな決断を迫られた巧の成長ぶりが見所でした。
 周囲の人目をはばからずイチャつく大吾郎と珠緒先輩を羨ましく思いながらも、お互いに牽制し合ってばかりで巧との関係が進展しない文乃、千世、希ですが、恋のライバルでありながらも、同じ相手に恋する仲間としての連帯感というものを大切にしているあたり、やっぱり女の子ですねぇ。

 卒業していく珠緒先輩や夏帆の姿を見て、巧も、将来の進路を考えるようになり、自分は『ストレイキャッツ』で役に立っているだろうかと悩みだすところは、青春ですね。
 しかし、そこにつけこむ隙を見出し暗躍し始める夏帆の腹黒さは、手口が陰険すぎててちょっと引く。
 文乃だけは、彼女の裏の顔を見抜いていたんだけれども、普段の天邪鬼な言動のせいで周囲に信じてもらえず孤立していく姿が読んでいて辛かった。

 もはや夏帆の狙い通りに事が運ぶかに見えた場を断ち切った鳴子叶絵は、まさに予想外の伏兵でした。いつもおちゃらけているけれど、実は一番一筋縄ではいかなそうな相手だよなぁ。
 けれど、相手にとっては耳に痛くとも言うべき事を言えるのが本当の友達というものなんでしょうね。
 そして巧の決断は・・・・・・優柔不断は所詮は優柔不断でした。あそこまで毅然として言われたら、何も言い返せませんよね。ヘタレならではの気迫の勝利でした。

 というか、最後に家康がすべて持っていきやがった! オタクのくせに、格好良すぎだ!
 ともかくこれにて「第一部完」。考えると、デビューから隔月ごとに一冊出版してるって、快挙ですね!
 それでいて面白さは決して落ちていかなかったのは称賛に値します。物語は「もうちょっとだけ続くんじゃよ」らしいですが、とりあえずここまで乙でした。

 ちょうど区切りもつきましたし、できれば続編以外にも新シリーズや短編集にも挑戦して欲しいな。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社スーパーダッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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