まじ×どら (電撃文庫) アスキーメディアワークス 2009-08-10 by G-Tools |
成瀬冬弥の目標は一人前の魔法使いになること。だけれど、魔法を使えばいつも幼馴染みの沙織のスカートをまくってしまったり、怒らせてばかり。そんな彼の許に記憶喪失の少女・ナナが全裸で飛び込んできた。しかも彼女の記憶を取り戻すまで一緒に住み込んで面倒を見ることに
窓から飛び込んできた記憶喪失の少女と落ちこぼれ見習い魔法使いの少年のラブコメディ。
うーん、いろいろなものが圧倒的に足りないのだけれども、しいて言えばリアリティが希薄だなぁ。
とりあえず、主人公・冬弥がヘタレというよりは卑屈で、真面目というよりは心が狭く、鈍感というよりは幼稚で、さっぱり好感を抱けませんでした。とくにルックスが良いでもなく、他人への気づかいができるわけでもなく、セクハラ疑惑満載のくせに周囲に女の子が寄ってくる理由がまったくわからん。
ナナの正体なんていかにもバレバレなのに、いつまで登場人物そろって「わからない、わからない」を繰り広げる気なのか、読んでて大変非常にダルかった。
そのネタだけで一冊まるごと長引かせるのはまさにページの無駄です。それに費やすくらいなら世界観の細かい解説や他のヒロインのキャラの掘り下げとか、やるべきことはいっぱいあったはず。
冬弥が落ちこぼれなのにも何か理由があるのかと思っていたら、何にもないし・・・・・・。
純粋な目標があって努力しているというなら、魔法の才はないにしても、せめて座学くらいはまともにこなせるのかと思えば、何をやらせても平均以下というのはこれまで何をやってきたんだろう。
それで一方的に学園一の優等生にライバル心燃やしているのですから、お前の頭は大丈夫かと。落ちこぼれというキャラになんの魅力も意図も見出せませんでした。
あまりにもコメントできるところが無さ過ぎて困りました。
いかにも『これはラブコメです』という嫌らしさが文章全体に透けてみえるのが下品に感じました。
このネタならもっと余計なところを削って80ページくらいの短編でも十分に収まる。