神様の言うとおりっ! (電撃文庫) アスキーメディアワークス 2009-08-10 by G-Tools |
ふとしたきっかけで神様に殺されちゃった恭一。中途半端に逝き返らせてもらったものの、古今東西ありとあらゆる清めの方法 (聖水、塩、日光、etc…)ですぐさま昇天する最弱ゾンビになってしまった。キチンと戻るには、神様から奇跡の力「GP」をもらわなくてはならず、そのために神様相手の人助けをすることに。
これは悪霊ですか? いいえ、ゾンビです
生き返るために神様の人助けをすることになったゾンビ少年と美少女巫女姉妹のラブコメディ。
人畜無害な主人公・恭一とキャラの立ったヒロインたちの掛け合いが面白可愛いかった。
ちっちゃな神様コノハのうっかりによって死んでしまい、ゾンビとして生き返った恭一が元の身体を取り戻すために神様を助けて回るのですが、すぐにも昇天してしまいそうな最弱ゾンビになってしまった彼がいかに難題をこなしていくか、その悪戦苦闘っぷりが見所です。
本来ならば現世に穢れをふりまく悪霊のような存在である恭一にとって、天敵である退魔師の女性の男性恐怖症を克服させるため、正体がバレないよう遊園地デートを無難にこなそうとするも、予想外の展開の連続で痛い目に遭いまくり、始終ツンデレな幼馴染・沙希からの痛い視線ビームに曝されるなど、美味しい展開てんこもりで顔がニヤケっぱなしでした。
でも、笑ってばかりはいられず、終盤では死の重みについて思い知らされます。
本当なら人ひとりが死ぬというのは周囲に大変なショックを与える重大事件なんだということを、恭一が気づくまでに沙希や綾音は、かなり自分自身を責めていたんでしょうね。この巫女姉妹は、恭一には見せないようにしていろいろ背負い込みすぎるんだよなぁ。
自分の身体よりも他人の身体を案じる恭一も重度のお人好しですが、そのくらいバカ正直な奴でなくちゃあ、神様も助けてやろうだなんて思いませんよね。
このお人好しでは元の身体に戻る日がいつになるのかわかりませんが、まあ最弱ゾンビのままでも幸せそうだからいいのかな。これ一冊でとても気分のよくなれるお話でした。