ダフロン

2009年08月07日

妄想少女 そんなにいっぱい脱げません!?/東亮太

4044720045妄想少女 そんなにいっぱい脱げません!? (角川スニーカー文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-08-01

by G-Tools

光宏は耳を疑った。学校一の美少女であり、清楚なお嬢様であるはずの紗衣。その正体が、カリスマ萌えイラストレーター“歌川ミウミ”だなんて。しかも紗衣の描いたイラストは光宏の妄想力に反応して実体化。二次元美少女が次から次に三次元に。世界はキャッキャウフフ一色に。

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 二次元専門を自任する少女と二次専を否定する少年の萌えキャラ実体化ラブコメディ。

 いきすぎたエロは、もうギャグにしかならないんだなぁというのがよく分かりました。
 部屋中に萌えキャラのポスターを貼り付け、イラストサイトの巡回を趣味にする主人公・光宏もぶっちゃけかなりのキモオタですが、自分の描いたキャラに「お姉さま」と呼ばせてハァハァして悦に入っているヒロイン・沙衣がダメ人間すぎます。
 沙衣のライバル月代もとにかくキャラをエロくして触手を絡ませたがる変人だしで、作中には変態と萌えキャラしか出てきません。

 二次元美少女萌えについては、私にも共感できる部分はあるんですが、あまりに都合がいいキャラクターへの実体化。まるで歪んだオタクの欲望の象徴のようなキャラの扱いに萎えました。
 おまけに実体化させた人間や修正によって萌えキャラの性格がコロコロ変わってしまうので、彼女たちを一己の確立したキャラクターとして見ることはどうしてもできませんでしたね。

 妄想力で萌えキャラを実体化できちゃう原理は不明。ペンタブレットで修正できちゃう理屈も不明。
 リアリティがむちゃくちゃなギャグコメディというほかありません。加えていかにもオタクが思い描いていそうなベタなエロスがてんこ盛りで胸焼けして気持ち悪くなってきた。
 そして極めつけは肝心のストーリーにオチがない。竜頭蛇尾も甚だしい。

 「萌えとエロは違う」と作中で訴えているにも関わらず、作者がこの作品でやっているのは、まさにその萌えとエロの誤った混同なんですよねぇ。
 それに「萌え」といっても、なんつーかいまさらテンプレ的なものをそのまま出すのは芸がなくないかな。
 誰かこの作者に「媚びと萌えは違う」と教えてあげてください。

 まあ口絵と挿絵は可愛いので、買ってしまったなら絵の金額だと思えばいいんじゃないかな。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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