ヒミツのテックガール ぺけ計画とスパイ大作戦 (角川スニーカー文庫) 角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-08-01 by G-Tools |
悪夢のような編入試験に無事合格し、新学期に晴れて筑波音女子高専に入学した本瀬ハルミ。しかし、トラブルを招き寄せるそのすぺしゃるな体質はもちろん健在。せっかく編入した新天地でも、恐るべきトラブルがハルミを待ち受けていた。
A・Iが止まらない!
日本唯一の女子技術専門高等学校を舞台に理系女子がドタバタを繰り広げるSF学園コメディ。
相変わらず、登場人物の女性比率は高いのに色気がない。メカとロボに色気を感じろということか!
マッドサイエンティストといえどもお年頃の乙女。ヤナギに故郷の京都から幼馴染の青年が訪ねてきて、おまけにつく専への災厄の種までも運んできて、理系少女たちが発明した常軌を逸したびっくりどっきりメカたちが唸りを上げる!と、今回もまたカオスな展開にいっちゃってましたね。
ちょこちょこ脱線しまくる彼女たちの掛け合いは愉快なのだけれど、キャラが掴み切れていないので、誰が誰だかしょっちゅう混乱するっていうでっていう。
ヤナギは方言でわかるんだけれど、他の3人や教師が混じると口調がみんな一緒で見分けがつきません。
キャラが立ってないんじゃないかなぁ。正直、個々のパーソナリティの掘り下げがぜんぜん浅い。
また理系女子というテーマとドタバタコメディがうまく噛み合っていないようにも思えるんですよね。
序盤はいかにもトンデモ科学といった要素でシナリオが進んでいくんだけれど、後半のドタバタが騒がしすぎ(?) とりあえず、技術よりも力技で解決してしまうのは盛り上がりに欠けます。
読みやすくはなったけれど、その対価として理系っぽさみたいなものが下がってしまった。
桜餅ミサイル製造機や下痢誘発兵器みたいなヘンテコ発明品をわんさか登場してくるのならよかったのですが、オリジナリティがあってユニークと言えるのはそれぐらいだったしなぁ。
ヒロインたちよりも、悪企みしているオッサンたちの方が味があってオモロイと感じた。
ちなみに余録はなんだったんでしょうか。なんだかストーリーがぶつ切りで、中途半端に見える。