会長の切り札 軍師ゲームの裏を読め! (角川スニーカー文庫) 角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-08-01 by G-Tools |
楢山高校の危機を救った朋絵と光明たち生徒会メンバー。ところが今度は、樫森高校と桜川女子の対決のプロデュースを任されてしまう。どうやら勝負の内容についての話し合いが決裂したらしく、光明の手腕を見込んだ藍山が依頼してきたのだ。しかもその結果は、市の合併問題をも左右するらしく!?
そして最終決戦の幕が開く
母校の存続をかけて、三つの高校がぶつかり合う学園戦国絵巻。
統廃合合戦も終盤。残るは樫森高校VS桜川女子の対決。しかし、お互いが敵視しているのは勝ち抜けたはずの楢山高校の所光明という変な対立構造が出来ています。それだけ彼に負けたことが屈辱的だったということなのでしょうが、自陣に勝利をもたらした光明本人はいたってノホホンとしているから、そのギャップが可笑しい。
最後の勝負は、樫森町を舞台としたリアルモノポリー。町内の各所に用意されたミニゲームで両校の生徒たちが競い合うことになるわけですが、そこは光明がプロデュースしただけあって単純な知力、体力だけでは勝てるとは限らない。咄嗟の機転や発想、センスやチームワークが求められる戦略性の高いゲームとなっているところが勝負の見所でしたね。まるでオリエンテーリングみたい。
樫森の真行寺と桜川の華之宮も、光明に敗北した経験を無駄にせず、『数値で評価できない能力』を持った個性的な生徒を繰り出してくるから、シンプルなゲームでも面白い。
なんだか二人とも考え方が光明に似てきましたね。いかに常識にとらわれず、既存の概念の壁を打ち破るかということを考えるようになってきた。今回は両者の想像力の戦いでした。
それにしても魔王やら、悪女やら、真行寺と華之宮はどうしてそんなに言い回しが大仰なんだ!w
この作品、わりと人気があるようです。キャラはベタなんだけれども愛着があるんだよなぁ。
日常を面白く描くのに、異能や過度なラブコメは必要ないというのがよくわかります。大切なのは何を描くかという発想とアイデアですよね。作中で言うように、確かに素人参加型の番組って減ってきたし、芸人やアイドルをひな壇に並べるだけのトーク番組はつまらない。
ラノベでも同じことが言える。美少女が異能を振り回して派手なバトルをしてるだけのテンプレストーリーではダメなんだ。リスクを怖れず挑戦をしなければ新境地は生まれてこないのです。
しかし、肝心の決着は、次回に持ち越しかぁ。まさか続くとは・・・・・・。
光明のことだから、きっとまだ何かトリックが仕掛けられてるんだろうなぁ。
どちらかが損をするのではなく、誰もが納得できるような結末を期待したいですね。