帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。〈3〉 (トクマ・ノベルズEdge) 神楽坂 淳 徳間書店 2009-06 by G-Tools |
巴からランデヴーしないかと誘われた小梅。どきどきしながら歩くその最中、乃枝によく似た女の子と出会う。女の子は乃枝の従姉妹で大阪から屋台対決をしに来たらしい!屋台での東西対決を挑まれ、受けて立つ決意をする桜花会。しかしお嬢様たちには庶民が使う「屋台」がどういうものか分からなくて。
わたしたち、屋台はじめます
男尊女卑の世の中で、新しい時代に向けて奮闘する乙女たちの大正浪漫活劇。
今回は野球ではなく料理対決。美味しそうな話ばかりでお腹が空くじゃないかよ!
屋台対決を申し込んできた大阪チームの「一銭洋食」に桜花会がどう対抗するのかと思っていたら、たこ焼き作っちゃったー! これは酷い歴史改変。明石の人が泣いた。
まあ前回の野球のときも時代をフライングして金属バットと作っちゃってましたけどね。
しかし、まあなんでしょうかこの小梅のモテモテっぷりは。晶子さんの本妻っぷりはさて置くとしても、巴にはランデヴーに誘われ、さらに大阪のネコ目娘にも気に入られ、胡蝶も巴お姉様から小梅に鞍替えしとモテ期到来しまくりで、あっちを立てればこちらが立たずといった女の子の友情に振り回される小梅の気苦労も増えているけれど、なんだかんだ小梅を中心に桜花会ガールズが結束し、各々が自分の能力を発揮して連携し合って生み出される展開にはワクワクしてきちゃいますね。
三郎さんとの仲も良い塩梅に恋模様が進展して、未だに恥ずかしくてお互いに名前で呼び合えないところとか初々しくてツボだわー。こういう奥ゆかしい恋愛観に憧れます。
言われなくともたこ焼き用プレートを用意しているとか、小梅のことをよく見てるなと感じますね。というか、何気なく取り出したが、たこ焼き用プレートなんかどこで買ってきたのやら。
ぶっちゃけ、東京人なら「もんじゃ」で勝負すべきだと思うんですが、それだと屋台対決として成り立たないから「たこ焼きに」したのかなぁ。東京の名物で他に張りあえるような食べ物としたらなんだろう。東京ばな奈?
最後まで料理の話題でしたが、作者はこの作品のタイトルを忘れていなかった。前哨戦では大阪チームに一矢報いた桜花会ですが、本番の試合ではこの健闘がみられるのでしょうか。
ところで、TVアニメ版の『大正野球娘。』みました。冒頭の謎のミュージカル化に「なにこの練馬大根娘。・・・・・・」と一抹の不安が頭をよぎりましたが、まあキャラデザはいいし、音楽もいいし、声も可愛いし、絵とストーリーは地味ではあるけれど、まあまあ視聴に耐えれそうですね。小梅の頬の赤マルは余計パーツだけれど・・・・・。他の子は普通なのに、小梅だけだと変じゃんよー。