ダフロン

2009年06月30日

迷い猫オーバーラン! 5/松智洋

4086304902迷い猫オーバーラン! 5 (集英社スーパーダッシュ文庫 ま 1-5)
松 智洋
集英社 2009-06

by G-Tools

クリスマスの事件で足を骨折した巧は、病院で正月を迎えた。文乃、希、千世の三人は競って熱烈看護中。だが巧の入院先が千世の友人で財閥令嬢である夏帆の系列病院だと分かって騒ぎに発展。マイペースな夏帆に振り回され退院した巧と迷い猫同好会を待っていたのは、季節外れの転校生だった。

 捨て犬から始まるラブ・ストーリー

 親からはぐれた迷い猫の少年少女たちが繰り広げる、恋と友情の日常系ラブコメディ。

 なんというテンプレ感。ただ時期がバレンタインになっただけで、やってることはクリスマスと同じじゃないかぁ。
 というわけで腹黒お嬢様竹馬園夏帆のターン! とみせかけて、お節介焼きの珠緒先輩のターン!
 バレンタインを前に骨折した巧に急接近し始めた珠緒先輩に危機感を覚えた文乃、千世、希の三人娘が恋の妨害作戦をもくろむ。いつも通り、回避不能のドタバタっぷりが健在ですね。

 文乃、千世、希は他人の足を引っ張り合ってばかりいないで、さっさと潔く告白でもして玉砕してこいよ!と言いたくなるのですが、素直に想いを口にできないのが乙女心。
 人の恋路に茶々いれるのも野暮ってもんですね。まあ最大の野暮天は誰をおいても巧ですが。
 しかし、鈍感だからこそ面白いわけで、不器用なヒロインと鈍感な主人公の組み合わせというのは、いわば漫才におけるボケとツッコミの連携技だよね。
 割り切っていないと辛いけど、これも話を面白くするためのお約束なのだから仕方がない。

 珠緒先輩に対する三人娘の邪推はもちろん勘違いだが、まさかの本命は予想外だった。
 いやぁ、いつも陰ながら活躍しているけれど、地味キャラだしなぁ。っていうか、いつも一緒にいる相方が濃すぎるし、個性派ぞろいの迷い猫同好会のメンバーの中で隠れてしまっているのがね。
 なんにせよこのシリーズでかつてなく恋する乙女だった珠緒先輩はむちゃくちゃ可愛かった。
 女の子にあんな積極的に迫られたら、どんな男も勝てませんよね。お幸せに!

 そして結局、進歩してるのか停滞しているのかわからない三人娘は依然横並び状態のまま。
 フラグ立てるイベントを個々で分かれさせた方がいいんじゃないかなぁ。三人とも同じことをしていたんじゃ、そりゃあ誰もリードできないし、読んでいても変化がなくて飽きちゃうよ。
 今回は黒子役に回りがちだった夏帆ですが、次こそは巧の争奪戦に絡んできてくれるかな。

 まあ一番期待しているのは、女装美少年クリスの再登場なのですがね。伏線張られたよ!(n‘∀‘)η
 次巻の表紙はクリス以外にありえんよ!


posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社スーパーダッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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