ダフロン

2009年06月27日

ぼくとレギオスの旅 1 歩行する都市/川村ひであき

4046310324ぼくとレギオスの旅1 歩行する都市 (角川つばさ文庫)
川村 ひであき
富士見書房 2009-06-12

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ぼくの住む都市は生きているのさ。歩いているんだ。ぼくはアッシュ。じつはちょっとなやみがあって・・・・・・将来、何になりたいのかわからないんだ。だからぼくはおもいきってここを出ようとおもうんだ。なかよしの電子精霊・ステラといっしょに、いちにんまえになってもどってくるから、待っててね。

 旅に出よう、君と共に、自分を探しに

 『鋼殻のレギオス』外伝。少年アッシュと電子精霊の少女ステラが都市を旅するロードストーリー。
 
 本編とはまるで作品のイメージが違いますが、こちらはこちらで可愛くていいかも。
 仙鶯都市シュナイバルで生まれ育った10歳の少年アッシュには、無機物である「もの」と話せる不思議な能力があった。将来、何になりたいのかわからない彼は、同じくどんな都市になりたいかと悩む電子精霊の少女ステラと自分探しの旅に出る。
 幼いアッシュとステラが様々な都市を巡って新しい人々と出会い、故郷で暮らしていただけでは知りえなかった驚きや新鮮な感動を得ていく姿が心地好い。

 ステラはなんというか、人間っぽい電子精霊だなぁ。ごく普通のおしゃまな女の子ってカンジですね。
 「もの」と話すことのできるアッシュとだけ会話ができることになっていますが、でも、本編だとたまに喋ってるよなぁ。あれはなんなんだろうか。あと電子精霊は大人になって都市に宿ると動物の姿を持つらしいけれど、どうしてツェルニは都市になった今も幼女のままなんだろう。いえ、幼女最高ですが。ロリ万歳。
 惚れた弱みか、無邪気なステラにベタ甘で尻に敷かれるアッシュくんの奮闘ぶりにニヤニヤ。

 輝山都市シュターク、天楼都市カラボネなど、本篇では未登場の都市の内情もちらほら。
 レギオス同士の戦争とかって住民の生活に影響ないのかなと前々から思っていましたが、バッチリ経済格差になって現れちゃってましたね。うーん、変なところでリアリティだわぁ。
 「ナワバリ争いみたいなもの」と言っていますが、セルニウム鉱山がなくなって都市が滅んでしまったらそっちが取り返しがつかないじゃん。都市間で協定を結んで平等に分け合うようにすればいいんじゃないかと思うのですがねぇ。それともどこか滅んでもシュナイバルお母さんがどんどん産んでくれるから心配ないのだろうか。っていうか、レギオスの都市本体は誰が作ってるのか? 製造技術は完全にロストテクノロジーじゃなかったっけ?

 世界観を同じくしながらも児童向けにやや文体は柔らかめ。ただ、どうしても本編と共通させなきゃいけない部分で難しい箇所が削りきれていないのがちょっと気になりました。
 武芸者でありながら別の道を歩んでいるジンの姿を見たアッシュやステラが、この旅の先にどんな成長をしていくのか楽しみ。そしてツェルニの地下で眠ているはずの"あのひと"が、なぜ彼らと行動を共にしているのか、彼らを狙う謎の汚染獣の正体など、いくつか伏線も張られ続きが気になるところ。

鋼殻のレギオス13  グレー・コンチェルト (富士見ファンタジア文庫)鋼殻のレギオス13 グレー・コンチェルト (富士見ファンタジア文庫)
雨木 シュウスケ

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posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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