ロウきゅーぶ!〈2〉 (電撃文庫) 蒼山 サグ アスキーメディアワークス 2009-06-10 by G-Tools |
少女たち五人のさらなる成長を目指し、球技大会に向けて小学校内で合宿を行うことになった昴。解決しなくちゃいけない問題は山積みで、それ以上に色々な意味での問題も山積みでして──!?
バスケットコートの中の天使達
女子バスケ部のコーチになってしまった男子高校生と5人の女子小学生たちのスポ根コメディ。
ロリコンはロリコンとして、スポ根はスポ根。バスケ少女たちの熱い友情がコートに弾けます。
女子バスケ部のコーチとして復帰した昴の次なる難問は、クラス対抗で行われる球技大会に向けてのチームの再強化・・・・・・のはずが、真帆との仲が悪い竹中がチームに加わったことで、チームが気まずい雰囲気に。
お互いに意地を張る二人をなんとか仲直りをさせようと、智花と組んで小細工を仕掛けてみても失敗続きだったのが、バスケを通じて和解していくところがなんとも微笑ましい。
チームのみんなとプレイしているときは和気藹々とした練習を、しかし、陰ではそれぞれ黙って厳しいトレーニングをこなしていたりと、お遊び感覚でないバスケに打ち込むひた向きな決意を窺わせるなど、しっかり熱い要素を盛り込んでおく情景描写は、抜け目がないですねぇ。
ちっちゃな女の子との年の差恋愛模様を描きつつ、かつ子供らしい愛らしさを滲ませ、スポ根も忘れない。一概に作品の特徴だけ挙げて切り離しては語れない魅力が魅力ですね。
女の子たちに対しては、竹中とほぼ同レベルの耐性しかなくって過剰に意識しまくりな昴は、変態と呼ばれたり、ロリコン扱いされても仕方ないかも。
生意気盛りで昴に反抗しがちな竹中ですが、変なところで男と男の友情が生まれたりしているからニヤニヤ。ツンデレショタだなぁ、こいつ。
心の底からバスケが好きな彼は、本来なら同じくバスケ馬鹿な昴とも気が合うだろう。純粋にバスケをやっていけば可愛い弟分になっていくのじゃないかしら。
まあ、正直、いらんけど。すでに可愛い妹分が5人もいるんですから十分ですな!
そしてついに迎えた勝負の時、いままでより少しずつ成長した彼女たちの活躍をご照覧あれ。
勿論、てぃんくるさん入魂のサービスショットにも期待していってね! あなたは、またも神だった!
作品全体的には、待ちわびたファンの期待に応えようとした努力がみられる。
ただ登場人物のモチベーションの盛り上がりという点については、広げ方が足りなかったかなぁ。球技大会程度じゃあ、そこまで切実に本気になれないのじゃないかとか。
さらに続編を出せるだろうと安心はしているが、新たな目標はさらに高く見積もるべきであろう。
ときに、忘れないで読んでいたのに縞パンまで見せてくれた葵さんが最後まで空気だった。
あるえ? 彼女の無駄な存在感はなんだったの?