ダフロン

2009年05月31日

レイン 1 雨の日に生まれた戦士/吉野匠

4434129759レイン〈1〉雨の日に生まれた戦士 (アルファポリス文庫)
吉野 匠
アルファポリス 2009-04-30

by G-Tools

北の大国ザーマインの脅威に直面している小国サンクワール。その命運はもはや風前の灯火…誰もがそう考えていたとき、一人の黒衣の戦士が颯爽と歴史の表舞台に現れた! やがて、戦士と王女は出会い、サンクワールの、そして世界の運命を大きく変えてゆく!

 その者、黒き衣をまといて 戦乱の世に降り立つべし

 異世界に存在する大陸ミュールゲニアを舞台に最強戦士が大暴れする剣と魔法の戦記ファンタジー。

 ぐふっ! なんだこれ、ムチャクチャ面白いやんけ! いままでこんなシリーズが出ていたのにまったく気づかなかったとは、自分が恥ずかしい!
 超大国の侵略により滅亡寸前の小国で、破天荒な平民出身の若き将軍が軍を率いて立ち向かうという戦記ものとしては、それこそありがちな定番ストーリーなのですが、戦記ものの要素をこれでもかと煮詰めて、王道一直線に描き切っているのが素晴らしい!
 いまどき混じりっけなしの純度100%戦記ものなんて、どこのレーベルも出したがらないのに、よく書いた!

 主人公のレインは表面上は傲慢なところもあるけれど、本当は自分に自信なんかなくって、すべては大切なものを守るために強がっているだけの不器用な男なんだというのが分かってくると、とても好感が持ててきますね。
 かつての彼の身に起こった悲惨な出来事の後、どれだけ悲痛な思いを抱え、どれだけ血の滲むような努力を重ねて現在にまで至ったのか想像もつきません。

 そしてそんなレインに幼い頃から恋い焦がれるヒロインのお姫様シェルファが一途で健気で可愛いんですよねぇ。純心無垢で素直すぎるのが逆に心配になりますが、王族として民や兵のためにいつでも己の身を犠牲にする覚悟をしている芯の強さもあって、実に素敵な女の子です。
 位の高い貴族たちには厄介者扱いされているレインを理解する親友のラルファスや副官四人も個性豊か、というよりも登場人物が揃って変人ばかりで、その掛け合いが楽しんだよなぁ。

 レインは、ドラゴンスレイヤーとして自分が殺して奪った竜の力に加え、さらに古代文明の強力無比な魔法剣を装備しているかなりのチート主人公なのですが、敵は超大国の万を超える軍勢だったり、相手の王がレイン以上のチート野郎だったりするので、パワーバランスはとれているかな。
 数万人もの騎馬と兵士が入り乱れる戦闘シーンもあれば、タイマン勝負の超人バトルもあり、双方の魅力が味わえます。現代志向の戦記ものとして、高精度で完成しています。

 これは続編も期待絶大。ファンタジー好きなら絶対に読むべき正統派戦記ファンタジーでした。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファポリス文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック