ソード・ワールド2.0 剣をつぐもの1 (富士見ファンタジア文庫) 北沢 慶 富士見書房 2009-05-20 by G-Tools |
リリアンナの儀式の手伝をすることになったアレク。その帰り道の途中、偶然にも蛮族の陰謀を知ることとなり、 事件に自ら巻き込まれていくのだが……!?大人気TRPG、ソード・ワールド2.0から初の小説が登場!
少年よ剣をとれ 冒険へ旅立て!
"剣の創りし世界ラクシア"を舞台に人間と蛮族の命運を握る魔剣を巡る少年少女の冒険の物語。
これはすっごいワクワクしたー! 未知なる冒険への魅力に溢れて、いますぐ外へ駆け出したくなる。
街中でジャンクショップを手伝う"魔動機師"の少年アレクが、ある日、神官戦士の少女リリアンナと出会い、軽い気持ちで引き受けた依頼が思わぬ大事件へと発展していく。
危険な仕事などせず、金は地道に稼ぐのが一番と言っていたアレクが、次第に忘れかけていた幼い頃の冒険者への憧れを蘇らせていき、仲間と共に騒動の渦中へと飛び込んでいく光景にもう大興奮。
冒険者に憧れるリリアンナだけれど、政略結婚を強いる貴族の家柄への不満を抱いていたり、アレクの方も変わらない日常に諦観しつつ、心のどこかで変化を求めていたり、若さという無力さからどうすることもできない現状の中で、自由を求めて必死にもがく二人のやるせない懊悩が非常にもどかしい。
若い二人を手助けする仲間である、ダビット族のヴラドやナイトメアの魔法剣士ダリウスなど、SW2.0から加わった新しい種族や彼らが唱える魔法の詠唱なんかも、とても魅力的ですね。
そして人間と敵対するオーガやミノタウロスなどの亜人が集う『蛮族』の勢力の存在なんかも、いままでよりもさらに狡猾、凶悪な脅威となり、戦闘が大規模な集団戦へと進化し、戦略的展開をみせるようになっています。
愉快なキャラクター、壮大な世界観、そして迫りくる危機。SW2.0のルールを知らなくとも大丈夫。誰でも新たな冒険の世界を存分に堪能できると思います。
これまでソードワールドの小説が長すぎて敬遠していた人も、ここから読み始めるのをオススメ。
北沢慶作品の中でも、ずば抜けて面白かったです! TRPGは未経験の私ですが、これから始めてみたい!と強く思いました。
ファンタジーのスタンダードとまで言われたソードワールドシリーズの記念すべきリニューアルシリーズ第一弾。これからどんな物語を描いていくのか期待感が高まります。
そういえば、SW2.0はコミック化、キネテッィックノベル化、NDSゲーム化が同時進行していますね。
キネノベ制作はあの『神曲奏界ポリフォニカ』を手掛けたocelotということなのでこれは安心できそう。
NDSの方は、TRPGというもののコンセプトを無視しているが、まあRPG好きとしてはこれも要注目。
コミックは6/9から早くも発売なので、まずコミックから読んでSW2.0の世界に入っていくのもいいかもしれませんね。
ocelot公式サイト
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