![]() | バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫) 井上 堅二 エンターブレイン 2009-04-30 by G-Tools |
夏休みに入ったものの、鉄人の暑苦しい補習を黙々と受けていたある日、召喚獣を喚び出してみると、そこに現れたのは古今東西の物の怪に姿を変えた召喚獣たちだった。補習をサボリたい彼らの願いにより、急きょ2、3学年をあげての「肝だめし」が開催されることになり・・・。
学校のバカらしい怪談
学力は最底辺、けれども愛すべきバカたちが巻き起こす大騒動を描いたお気楽極楽学園喜劇。
なんといってもラスト終盤の明久のかっこよさは異常。やるときは決める男だと信じてました。
召喚システムの異常で、何故か文字通りモンスターの姿に変わってしまった召喚獣を用いて、「肝試し大会」が開催されることになり、いつも通りの召喚獣バトルも顕在ながら、お化け屋敷と化した教室に設けられた障害を突破し、徐々にゴール地点へ向けて攻略していくというRPG的な面白さも加わりました。
しかし、「バカとハサミは使いよう」という言葉は、まさにこのこと。
成績は悪けれども、それぞれの特技や持ち前の特性を駆使して、途中のトラップをクリアしていく。
メンバーを適材適所で割り振る坂本雄二の指揮官としての腕の見せどころですね。
「世の中学力が全てじゃない」という持論を掲げる彼の真骨頂というカンジ。
新バージョンの召喚獣の姿は、キャラにハマりすぎていて笑った。秀吉ー!w
でも、姫路さんはまだマシだが、美波のアレはイジメじゃね? さすがに可哀想・・・・・・私も笑ったが。
召喚システムは貧乳が嫌いか? もっと女の子らしいトランスフォームにしてあげてください。
幕間のバカテストの珍解答にもいつも笑わせてもらっていますが、ときどき、意表をつく答えが出てくるからバカにできないんですよね。
「バカの一念岩をも徹す」を地で行く明久の奮闘っぷりに燃えました。
最初は補習をサボリたいだけだった雄二も明久を勝たせるために新たな策を練り、自分は控えて勝負の行方を相棒に託すというのも、それなりの信頼がないとなかなかできませんよね。
この二人は本当にナイスコンビだと思いますよ。明久×雄二派大喜び。
作品を読んでいてつねづね感じますが、井上堅二さんは話作りが上手いなぁ。
「肝だめし」なんて、本来ならなんてことのない話を、これだけ笑えて、熱く書けるんですから。
こういったシリーズとしての本筋のないラブコメ作品は、たいていワンパターンになってdgdgしてしまうものですが、学生として起こりうるイベントの範囲を超えずに、かつそこに斬新な要素を取り入れる発想力がすごい。
三角関係の行方も気になるところですが、召喚システムに怪しげなフラグが立ちましたね。今後、これがどういった展開に繋がっていくのか・・・・・・。
次巻で何事もなかったかのようにあっさり直っている可能性もなきにしもあらず。姉さんカムバック楽しみ。