ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫) 川原 礫 アスキーメディアワークス 2009-04-10 by G-Tools |
次世代MMO『ソードアート・オンライン』にログインした約一万人のユーザーに、その苛酷なデスバトルは幕を開けた。SAOに参加したキリトは、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。熾烈な冒険を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことに・・・
仮想世界の愛しい現実
ゲームオーバーは、プレイヤーの現実の死。そんな次世代MMORPGを舞台にしたVRファンタジー。
ぶっちゃけ、もの凄く面白かった! 他の言葉が出てこないくらいに、面白かったんだよ!!!!
突然、死と隣り合わせの仮想世界に閉じ込められたプレイヤーたち。しかし、たとえ仮想現実の中であったとしても、データでも作り物でもない、本当に大切なものを手にいれ、襲い来る不安と恐怖を湧き上がる愛と希望を支えに、死線へと飛び込んでいく。
過酷で壮絶な人間ドラマ、そんな中で芽生えた少年と少女の純愛ロマンス。
読み終えた後、思わず放心して身体がシビれました。ずっと紙面を凝視していて目眩がしました。
たった2時間かそこらで読んでしまったのが、勿体なかったと後悔してしてしまったくらい。
これまでにもMMOを題材にしたライトノベルは、いくつも読んできましたが、作り込まれた世界観と個性的で魅力ある登場人物、スピード感をもって展開していく場面の構成力、リアリティ溢れる情景描写と心理描写。すべての要素において濃密で、最高級のクオリティ!
前作『アクセル・ワールド』で鼻にかかった陰々鬱々とした厨二病っぽさがまったくありません。
逆に、とても爽やかな青春小説に仕上げている。まるで正反対で、同じ作者とは思えません。
文才があるのは認めていましたが、やはり前作はプロットが最悪だっただけですね。
この作品を読まなかったら、川原礫という人物をずっと誤解したままだったと思います。
注目したいのは、既存のMMOのゲーム要素をよく分析しているなぁというところ。それと五感を取り込む完全な仮想現実ユーザ・インタフェースツールとを組み合わせることで、『ソードアート・オンライン』というゲームそのものにも魅力が生まれてきている。むしろ既存のMMOの方が安っぽく見えますね。
この本だけで立派なゲームのプロットになります。もし、発売したら、これやりたい!
単なるSF、ファンタジーと呼ばれるよりも、これはすでに『ハイ・ファンタジー』とか、『ハード・ファンタジー』にカテゴライズされるべきですね。
ファンタジーの歴史と紐解くと、最初は『Dungeons and Dragons』のようなTRPGから影響を受け、『ドラクエ』といったスタンドアロン・ハード機を通って、現代のオンラインMMOに行き着く。
次世代のヴァーチャルリアリティ技術を利用した、将来出てくるであろうVRMMOは、RPGの最上位といえます。私としては、この作品にはそういう意味も込めて『ハイエンド・ファンタジー』と呼びたいな。
ともかくも綺麗に一巻完結。絵師も作品とあっていて大変よかった(にしてもこの絵はBUNさんだよな)
『ソードアートオンライン』シリーズは、続編がすでに執筆済みだそうで、次巻が楽しみでたまらない!
その前に、来月、『アクセルワード』の2巻目が出るようですが・・・。うーん、そっちは買わなくていいよね?
ソードアートオンラインはネットで有名な小説でしたが、確か四部とか五部とか続いてましたかな。
個人的には一部だけで終わってたら一番よかったという話なのですが、伝え聞く話だと書籍化で大分改訂されてもいるという話なので、期待して読んで見ます。
アクセルワールドは、どうなんでしょうね。私は好きでしたけど。
あれも実は某所に投稿されて好評を博したものを改訂投稿という流れでしたが。
ネットのようなところから書籍化というのは女神転生の
頃からすでに出ていますが、今後はもっと盛んになるかもです。
あ、それと毎回レビューお疲れ様です。
時に同意し、時に反発を覚え、毎度毎度参考にさせていただいております。
今後のご活躍も期待させていただきます。
それでは。
あいにくネット小説や同人系の作家には疎いもので、この作者の存在を知ったのは、電撃小説大賞のときなのですが、続編になると、クオリティが落ちていく感じなのですかな?
ネット版を読んでいた知り合いも、やはり書籍化で設定がいろいろ変わっていると言ってました。
担当者がついたことで、いろいろ手直しをうけているんでしょうね。
文庫本に合わせる問題でも、文章量をかなり削っているといってますし。
長くなるなら、削らなくても上下巻構成にすればいいのにとも思います。
『アクセルワールド』は、どこかで見たような設定で、とにかく登場人物に共感できませんでした。
最近では同人からの移籍も増えていますね。
私はとくに絵師の進出に注目しています。『SH@PPLE』のよう太さんとか、『世界平和は一家団欒のあとに』のさめだ小判さんとか。
レビューに不満があれば、是非に遠慮なく反論してください。
むしろ批評を書くときは、叩かれることを期待して、あえてキツイ言葉を選んで書いてありますからw
自分はヒネクレものなので、周りが絶賛するほど、反対のことを書いてやろうとか思ってますし。
どんなコメントでも歓迎ですよ〜
ソードアートオンラインは二部以降はクオリティが落ちているというのではなくて、一部が鮮烈過ぎて以降が霞むというか…二部も決して出来が悪いというのではなかったと思いますが、やはり色々と緊迫感に欠けた部分があり、あとがきにて作者の人が反省していたように思います。改訂されるのならば全然違う話にしてしまうかもしれません。
三部からは読んだことは読んだのですが印象に残ったシーン以外はあらすじも思い出せません。つまらなかったという覚えはないので読めたはずなのですが、どうにもこうにも。手を変え品を変え、作者の人も頑張っていたと思いますが、やはり舞台の設定上、一部ほどのものにするのは無理があったのだと思います。
最終章はこれがまた長くて長くて意味が不明というか限りなくマスターベーションじゃね?な話でしたけど、こちらは完結したという話も聞かないので、出版されるのならばかなり違ったものになると思います。
総じて一部以降はペパーミントの魔術師以降のブギーポップみたいなもんで、冷静に読めば最初の方とクオリティがそんなに落ちる訳ではないけど、最初に感じたどきどきというかそういうのが薄れると、より落ちて感じるみたいなものでした。まあ一部が良すぎたというのはありますが。
これらが編集の三木氏などのチェックを経て、果たしてどのように生まれ変わるの楽しみです。
絵師の進出に関しては漫画なども盛んで、イラストサイトやweb漫画を掲載しているサイトにいくと「仕事受付中」などとよくあり、例えばドージンワークの人などは月姫などのweb漫画を描いて、それの二次創作専門の更新チェックサイトに登録とかしていました。他にも商業誌で仕事をしている人はいたかと思います。
誰だったか忘れましたが、映画だのは自分がプロだと名乗った瞬間からなれるものなので、とにかく素人なのでとか言わずに「仕事募集中」と看板上げてて、実力があれば仕事はもらえるということを書いてた人がいました。これからはそのような傾向がより強まると思います。
レビューというのは自己の価値観を世に出しているので、その時点で大変で勇気のあることだと思います。それゆえに明らかな誤読があるのでなければ私は反論をしようとは思いません。
例えば今回のでいうのなら「プロットが最悪だった」とアクセルワールドについて述べている部分などは、明らかにプロットではなくて「キャラが最悪」なのだと思います。プロットの段階では「よくある」というのは普遍性が高いということも表しますし、私自信はプロットが破綻しているとか最悪というのは違うと思います。ただ、愛咲さんがそういってしまうくらいにキャラにムカついているというのはよく伝わってくる、素直な感情の発露だと思いました。
あえて反論をするのなら「 一人称視点での物語のセオリーとして、主人公は基本的にどんな読者からも好かれるようなキャラメイキングをしないと、失敗します。卑屈なキャラを描きたいのなら、正反対に陽気な脇役を絡ませた三人称視点にしてバランスを取るべきですよ。」の部分についてですが、これは私が「かくあるべき」論に対して脊椎反射のレベルで嫌悪感を持っているというだけなので、書いてもあんまり意味はないと思いました。
あと戦乱学園のレビューは完全同意!
藤原京は陰陽師は式神を使わないの頃からなんかおかしくなったなあと思ってましたが、スーパーダッシュのサイトの作者インタビュー読むと、なんかこう、色々と悲しくなりましたよ…あの人、昔書いた龍王の淡海とかかなり良かったのに、なんでこんなのを言うようになったんだろう…。
まあそんなわけで、愛咲さんの今後の活躍も期待させていただきます。
あと私はデブで多分そんな長生きしないですけどあと食生活に後悔もしていますけど、虐めないでくださいね(苦笑)
デブになる理由は、むしろ親の都合と環境によるストレスが大きいと思うのでした。
それでは。
ソードアートオンラインは本編はもうサイトにもありませんが、外伝が残ってました。
文庫版は実はさらっと立ち読みしただけなんですが、その外伝の部分は反映されてるのかどうか今の私には不明です…。
そして書き終わってから、なげぇっ、と気づいた。
次からはこんなに長く書いたりしませんので。
どうも失礼しました。
デビュー作や一巻目が人気だった場合、それ以降の作品は、どうしても比べられてしまうのは、シリーズものの宿命ではないですかね。
新しい要素やキャラを増やしたり、人間関係を変えたり、物語の世界観を広げていくような工夫が必要になるのですが、そこは作者の発想次第ですね。
去年話題になった『とある飛空士の追憶』も、続編では登場人物や時代背景、テーマなんかをまったく変えてきましたから。
シリーズ化されるにあたって、明確に比較されたくなかったのでしょう。
まあ作家の中には、ストーリーがテンプレ化してても面白くて売れている人は沢山いますけどね。
茅田砂湖とか、鷹見一幸とか。毎回読むたびに、「これは酷い・・・」と思いつつも、読み終えるとそれなりに満足している自分がいる・・・。
素人さんや、作家志望の方などは、いろんな出版社に山ほど売り込みをかけて、散々かけずり回って、苦労してようやくデビューされているのでしょうが、
まあ、消費者という名の神であり、酷評家(自覚はあります)である私は、『俺妹3』の某編集者のように、意地悪く笑って「─ぜいぜい頑張ってください」としか言えませんね。
『アクセルワールド』の件については、単純にキャラだけの問題でもないような気がしますがねぇ。
私としてはあの話は、『いじめられっこが、分不相応な力を得て、美少女にモテるようになる』という、非モテ系中学生の妄想以上の何モノでもないと思うのですが…。
もっと細かく粗筋も分解できますが、結局のところプロットというか、話のテーマの大きなポイントはそこですよね。
それを小説として文章におこした際のストーリーとしては、特別に破たんしているとは思いませんでしたが。
例えば、設計図が子どものカクガキだったら、いくら高い技術力があっても、完成した建物はおもちゃの小屋です、ということでしょうか。
「かくあるべき」論のつもりはなかったのですが、確かに断定口調ですね。すみません、誤解させてしまいました。
『卑屈キャラを主人公にした他の作品では、こういう工夫をして書いていた。そのときには私もそのキャラが好きになった』というだけの話でした。
別にすべての作品にあてはめろと言っているわけではありません。
むしろ読者の予想通りのものばかり作ってくるようでは困ります。
どこかで言いましたが、読者の予想の上を行ってこそ本物のプロなのですから。
藤原京は、『戦乱学園』が初ですが、もう恐らく読む機会はないでしょう。
あらすじ読むと学生で、戦国ものというので面白そうな印象があったんですけどねぇ・・・。
具体的に肥満は嫌い(あ、言っちゃった)ですが、現実世界ならば痩せる可能性は無限大です。
まずは親元を離れて自炊を始めてみましょう。確実に痩せますよ。
ついでに仕事も止めるとよいです。私もニートデビューと同時にストレスと無縁になりました。絶賛オススメ。
『ソードアートオンライン』は気長に文庫本の出版を待ちますよ。それではまた。