レンズと悪魔 X魔神狂咲 (角川スニーカー文庫) 六塚 光 角川グループパブリッシング 2009-04-01 by G-Tools |
エルバはついに父の仇、シローを討った。だが、サクラは闇照の魔神と契約し、エルバたちの敵となってしまう。八眼争覇が思わぬ展開を迎えるなか、エルバたちは変わり果てたフィールディングと再会する
亡霊は闇に咲く
レンズで悪魔を喚ぶ悪魔召喚士たちのバトルロイヤル。
サクラの堕ちっぷりが酷い・・・。フィールディングのときにも思ったが、この作者はマジ容赦ねぇ。
魔神ヤミ・ヤタの力で悪人たちを粛清して、次第に生前の兄シローと同じく独善的になりつつあります。
能力逆流によって人の記憶を読むことで精神が狂ってしまう、とありますが、その力でテッキかエルバの記憶を読んで、シローの死の真相を見ることができれば、誤解も解けるんじゃないかな。
そうしないのは、サクラが真実から眼を背けているからなのか、ヤミ・ヤタや魔王プラナが意図的に遠ざけているからなのか・・・。要所、要所でサクラを煽るようなセリフを言うヤミ・ヤタが、非常にムカつきました。お前、ちょっと黙ってろよと。
まあ個人的には、サクラがいなくなってくれたお蔭で、テッキ姐さんルートの開拓がガンガン進むようになってきたのは、不幸中の幸いかな。万力ツンデレ派にとっては、ごく普通のお嬢さんな一面を見せてくれる場面なんかもあったので大興奮です。
ただ、らしくなく殊勝になりすぎて、シローの死の責任を負おうとして、さらにサクラとのすれ違いを深めて争う事態になってしまったのは、失策としかいいようがない。
サクラも本当は否定して欲しかったんじゃなかったのかな、でなければ戦闘の前に会話なんてしないだろうし。
フィールディングと敵対することになってしまったエルバにしても、戦う他に選択肢はなかったのかな。
むしろセブンディから守るという条件で、自分たちの陣営に勧誘してもよかったと思うが。エルバたちに恨みを持つバーミッサはともかく、フィールディングにはここであえて危険を冒す必要はないわけだし。
そういえば、エルバにしても、テッキ、サクラ、カエデ、フィールディング、バーミッサも、みんな家族を奪われた復讐で動いてますね。あっと、変態中年もか。
エルバとテッキ、カエデ、中年はすでに仇討ちをすませましたが、彼らはこの先も生きていかなくちゃいけないし、なによりも仲間を守らなくちゃいけないんですよね。
それが戦いの中での強さにどう影響してくるか。
魔神も残すところあと3柱。ついに「八眼争覇」の優勝者も絞られてきましたが、最後に内輪揉めとは。
なんというか、嫌な予感しかしませんが、これ以上のキャラ死亡は欲しくないので、取り返しがつかなくなる前に、サクラは眼を覚ましてくれーと祈るばかりです。
魔王プラナやかつての「八眼争覇」の勝者たちも、なにやら集まって企んでいるようですので、エルバかサクラか分かりませんが、優勝者が決っても、もう一波乱あるんだろうなぁ・・・。
それにしても、クラヴリーは可愛いメイドさんを雇い入れてリア充の日々をおくってますね。ウラヤマシイ・・・。いっぺんフォークで刺されればいいと思うよ。