ダフロン

2009年03月23日

タイム・スコップ!/菅沼誠也

475804063Xタイム・スコップ! (一迅社文庫 す 2-1)
菅沼 誠也
一迅社 2009-03-19

by G-Tools

ひょんなことから「時空間に穴を掘る」能力を手に入れてしまった女子高生・空掘すずめ。うっかりタイムスリップしたあげくにうっかり歴史を変えちゃったりするので(うっかりで済ませていいことではない気もするが)、幼馴染みの石垣島さとるを巻き込んで今日も始まる一騒動。

 歴史の改変を求めて

 スコップで時空を掘る能力を持ってしまった女の子と変な幼馴染みのタイムトラベル・ラブコメディ。

 過去に起きた出来事を知っていたら。そしてもしその時代にいけたら。どうします?
 この物語では、本人はまったく望んでいないんだけれども、ときたま偶発的に発生してしまう時空移動能力の所為で、改変されてしまった現代を元に戻すため、当事者である空堀すずめと幼馴染みの石垣島わたるが、なんやかんや狂った事態の収拾に走るんですが、その解決法がこれまた下らなくって面白い。

 第二次大戦末期のヒトラーを暗殺しちゃう第一話『ヒトラー殺っちゃいました』では、すずめのうっかりでほんの少し、正しい歴史からヒトラーの死が早まっただけで、現代日本が軍国主義チックだったり、ソフトドラッグ合法だったり、児ポ規制が発動していたりと、大変おかしい事態に陥ってますなぁ。
 過去を自由に行き来する時空移動能力は最強の能力ですが、タイムパラドックスが起きてしまわないようにいちいち気を使わないといけないとなると、とても面倒なものですね。

 しかし、第二話『俺の嫁だよフランケン』では、本来、恐ろしい「怪物」を生み出すはずのフランケンシュタイン博士に、幼馴染みのわたるが入れ知恵し、「ブルマの似合う美少女」を作らせるという、夢とロマンあふれる展開となっております(ブルマには夢があるよね! 私は間違ってないよね!)
 過去の歴史の悲劇が一転してハッピーエンドに。こういう前向きな能力の使い道はいいなぁ。

 最後の『安土桃山スーパーウォーズ』では、歴史の改変で空掘すずめ当人が消滅してしまい、すずめの代わりに現れた同じ時空移動能力者(但し、道具はノコギリ)の少女とわたるが、戦国時代に飛んで歴史を修正するのですが、この少女・空掘小梅ちゃんが素敵な子なんだ。
 歴史を直してしまったら、自分が消えてしまうかもしれないというのに、わたるの願いを聞き入れて力を貸す、一途さ、健気さ、そして芯の強さ。まったくなんて出来たヒロインなんだろう。
 ぶっちゃけ、何故こんなにいい子より、すずめを選ぶんだ!と途中で思ったこともしばしば。

 もし人間がタイムマシンを手にしたら、歴史を変えずにはいられないのでしょうかね。
 その時に選んだ選択肢を信じて、未来で後悔しないように生きるというのは、今も昔も難しいことなのでしょう。
 しかし、悲惨な過去があったからこそ、再びその過ちを繰り返さないように、よりよい未来を夢見ることができるとも言えるのではないのかな。
 まあ、いまのところ、よりよい未来とは程遠く、過ちを繰り返しまくった末に、現代があるわけですがね。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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