ダフロン

2009年03月02日

誰かのリビングデッド 3/海原育人

4125010668誰かのリビングデッド〈3〉魔性 (C・NOVELSファンタジア)
海原 育人
中央公論新社 2009-02

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デルの正体を知るエスケを追ってケルプ都リンジット県に辿り着いたプラスたち。ここに本拠を置くのが、エスケやオールトたちの師匠『最果て』。プラスとの再会にブラコン・オールトの妄愛はますます暴走、エスケの殺意も最高潮!関係者一同うち揃ってのバトル勃発?デルの創造主捜しの決着は―。

 すべてが生きた証にかわるまで

 迷子のリビングデッドの飼い主探しの旅物語。完結。

 やけにあっさりデルの主が見つかったなぁと思いきや。ちょっと事態がこじれて、無難に収めるつもりがよけいに事態を大きくしてしまって大事に、というカンジ。
 プラスはデルに肩入れし過ぎていますよね。彼がゾンビっぽくないから、人間扱いしてしまうのも仕方がないのかもしれませんが、すでに死んでいる者ために、自分や仲間の命を危険に晒すというのは、なかなか共感しずらいところがあったり。

 まだオールトの方が気持ちはわかるんですよね。彼はそのあたりシビアな切り替えができているというか、本当に大切なものだけを一番に考えて、行動がブレないじゃないですか。
 まあその情熱の大部分が弟に向けられているというのが、いろいろ問題ですけれど。
 いい兄貴だとは思うんですが、そんなオールトの色仕掛け(?)にひっかかって上司を裏切るエスケさんは、正直、男の趣味が悪いと言わざるをえない。だって、いかにもダメな大人の典型だよ、あれは・・・。

 ストーリーからして、やや強引に締めに入っている印象を受けたのですが、捻りが足らなかったかも。
 この作者の持ち味はピカレスクロマンであり、確かに作中に登場する魔法使いたちは、皆、人格破綻者ばかりのロクデナシなのだけれど、やることはワンパターンで力技一辺倒なだけに、先の展開が読めてしまって面白くないんだよなぁ。
 『ドラゴンキラー』のときみたいに敵味方騙し騙され、パワーバランスが二転三転する方が見ていてハラハラするものなのですが、『リビングデッド』の方は登場人物が見たままのキャラで、裏を読むという楽しみがない。物語展開も起伏に欠け、素直すぎたかもしれません。

 イマイチ「ここが面白かった!」というのが見つけられなかったのが残念でありますが、まあ経験値は積んで来ているだろうし、執筆も順調のようだから、次回シリーズは新たな境地を見せて欲しいなぁ。

4125009929ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)
海原 育人
中央公論新社 2007-07

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posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | C★NOVELS FANTASIA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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