ダフロン

2009年01月06日

銀世界と風の少女/松山剛

4758040451銀世界と風の少女 (一迅社文庫 ま 1-1)
松山 剛
一迅社 2008-12-20

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果てなく広がる銀色の大砂漠。異常進化をした奇怪な巨大生物から交易のキャラバンを護衛する少女・ソレイユ。幼馴染みの少女・イブが、砂漠で行方不明になったことをきっかけに、砂漠の謎へと迫ることに・・・。

白銀を駆ける金の華

 銀色の砂漠で交易キャラバンを護衛するマタドールの少女の物語。

 褒めるべきところと、ちょっと文句をいいたいところが分かれる作品ですね。

 まず脇役の数が多いにもかかわらず、それぞれにしっかりと過去を描いているのがとても面白い。
ソレイユのいる護衛団に所属するまで、団員たちがどんな境遇を過ごしてきたのか、そこからくる個々の人生観が一人一人に反映されていて、キャラクターを理解しやすかった。
ほんの少しずつ関わりあっていて、現在に繋がっているというのは、ある種の運命めいた結びつきを感じます。

 ほとんどの登場人物が過去の戦争の影響で身体に傷を負ったり、手足を失くしたり、大切な人を失ったりしているのに、それでもみんな笑顔で逞しく生きていて、こんなにも人間って強いのかと圧倒されます。
 失うことの傷の痛みを知っているからこそ、いま大切なものを守るため、なにかを得ようと努力するため、あるいは自分自身を救うため、そのために強くなろうと願った結果なのでしょう。

 持ち上げるのはそれまでにして、こっからツンデレのターン。
脇役は個性豊かなのだが、肝心の主人公・ソレイユが引っ込み思案なせいか、やや地味に見える。
そして流石に出てくる脇役が10人を超えると出番が少ない。
あと銃弾を余裕で弾くような砂漠の巨大ガニや巨大サソリを素手で殴り飛ばす、謎の怪力はなんなのだろう。
ところどころ、明らかに世界観に合わない魔法とか、オーバーテクノロジーっぽいものが登場するのだけれども、それについても華麗にスルーされた!

 そもそもあえてそんな地雷原だらけ、巨大生物だらけの危険な砂漠を行き来しなくても、迂回路を作ればいいんじゃないかとか思うんですけれどもね。
そこまで気になるほどのことでもないので、私が穿ちすぎているだけなのですが、あともう一手間あるとよかった。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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