ダフロン

2008年12月02日

二人で始める世界征服/おかざき登

4840124795二人で始める世界征服 (MF文庫J)
おかざき 登
メディアファクトリー 2008-11

by G-Tools

高校の入学式当日に、赤尾竜太に声をかけてきた少女は、幼稚園のときに一緒だった少女だった。声をかけられたことで仲良くなり、楽しい学園生活をスタートさせたが、ある日、千紗の両親が亡くなってしまう。「僕にできることがあったらなんでも言って」とはげますと、千紗はとんでもない“お願い”をしてきて・・。

悪の組織の正義のヒーロー

 とてもお人好しな悪の組織の女首領と心優しいドラゴンの世界征服物語。

 悪の秘密結社が主役なのに、これはなんてまったり、ほのぼのとしたお話なのか。

 入学した高校で再会した幼友達・久喜島千紗。両親の死をきっかけに悪の秘密結社『デーモンテイル』の女首領になってしまった彼女と、ドラゴンに変身する改造人間にされてしまった主人公・竜太が世界征服を目指し、たった二人で活動を開始するんですが、
 しかし、悪の秘密結社らしく、悪いことをしなくてはと考えてはみても、実際にやっていることは銀行強盗を撃退したり、子供を助けたりと、ついつい人助けをしてしまうせいで、いつの間にやら街の人気者になってる、な〜んてところが非常にゆっ〜るい感じでグッド!

 だって、いかにも悪役っていうボンテージコスチュームの女幹部が、公園マダムに混じって井戸端会議に花を咲かせてて、その後ろでは凶悪な面したドラゴンが子供たちにまとわりつかれて大人気なんですよ。まったく能天気で、実に平和な光景でいいなぁ・・・と、思わずニヤケてきちゃいますよ。
 まず女首領ラブンツェル(千紗)が良い子すぎて、悪役に向いてないんですよね。いつもぽやぽやした雰囲気の天然ちゃんだし、胸でかいし(胸関係ない)。本当は彼女に悪いことをして欲しくないと思っている怪人リンドヴルム(竜太)にしてみれば、願ったり叶ったりなんでしょうけど、逆に余計な事に巻き込まれてしまわないかと心配で目が離せないでしょうね。なんともお似合いですよ、くすくす。

 しかし、そうやって千紗に付き合っているうちに幼馴染みのありすが厄介事に関わってしまい。正体を隠しつつ、事態の解決を計ろうと動いて、竜太が周囲を守るために大怪我を追ってしまう展開には、普段はあまりそういう熱血漢っぽいイメージはなかっただけに彼のことをちょっと見直しましたね。
 むしろ普段ののんびりとした顔の方が仮面を被ってて、本当はもっと正義感溢れる激情家なのかな、意外な行動力と決断力を見せる場面なんかもあって。確かに頼れて、強くて、カッコイイですよ。

 竜太、千紗、ありすたち主人公格のキャラも好きなんだけど、ツルペタのありすを慕って従う下っ端集団が好きです。このロリコンめ!w 真の黒幕が小悪党すぎるのが難ですが、まあそんなに殺伐として楽しいお話でもないので、このくらいがベターかな。メンバーが一気に増えた『デーモンテイル』ですが、彼らの世界征服は、まだまだ始まったばかり。できれば、是非とも続編を期待したい。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ついつい人助けをしてしまう
正義のヒーロー

こういった設定いいですね!
現実云々より、かっこいいですし、
滅茶苦茶面白そうです。読みたいな〜
しかし、積んでいるラノベが先かorz
Posted by SkyFlower at 2008年12月04日 19:30
遅レスすみません

悪なんだけど悪になりきれない、親しみが持てる悪の秘密結社というのは、「コッペとBB団」とか、「世界の中心、針山さん」とか結構、よく題材に挙がってますよね。

この話にとっては、ほのぼのとかっこいいの両立かな。
まあ焦って読まなくてもいいので、時間が余ったときにまったり読んでほしい本ですね。
Posted by 愛咲優詩 at 2008年12月08日 01:55
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