![]() | イスカリオテ (電撃文庫 さ 10-5) 三田 誠 アスキー・メディアワークス 2008-11-10 by G-Tools |
一年間だけ、死んだ兄のふりをしてほしい。そう乞われ、久瀬イザヤが降り立った御陵市は、七つの大罪を具現する<獣>と戦うための都市であった。イザヤは兄のニセモノとなって、この都市で<獣>と戦うことになるが・・・。

英雄だった兄の代わりとなって、周囲を偽りながら人類を襲う化物と戦うお話。
『レンタルマギカ』の三田誠の電撃文庫の新シリーズってことで、期待してたんですが、ちょっとハズレでした。総じてクオリティは高いのですが、だらかといって面白いかどうかは別かなぁ。
人々を襲いに都市に出現する謎の怪物、七つの大罪を具現した<獣>と呼ばれる存在に対抗するため、英雄として知られていた死んだ兄と偽って、聖書で伝えられる神の奇跡を行使できる断罪衣(イスカリオテ)という武装で戦うというストーリーなんですが、どうにも暗いのよねぇ。それもなんていうか、地下室のジメっとした湿っぽい感じ?
ほぼ戦闘シーンばかりだから、読んでいてなんか単調なんですよねぇ。主人公の表の肩書きは宗教都市にあるミッションスクールの神学教師というふれこみなので、ちょっとだけ学園生活っぽい日常のシーンがあったりはするんだけれども、ほとんど怪物と戦ってばかりの非日常パートに埋もれてしまっている。
メインヒロインは女子高生なんだから、それについてもっと突っ込んで書いて、彼女の魅力をアピールしないといけないだろうに、そういう配慮もあんまりないんですよ。あまりにも普通の優等生すぎて、キャラの立ちが弱い。素直で頑張り屋でいい子だとは思うのですが、短所が見あたらなくて逆に親しみ難い。見たそのまんまでギャップ萌えがない。むしろ主人公を補佐する人形娘のほうが、意外と感情豊かなところにときめきます。
<獣>との戦闘シーンは、散々、ひっぱったあげく最後の決着方法はありがちな覚醒ENDですし、もっと主人公が機転をきかせるとか、奇策を練るといった展開を望んでいたんですが、とくに目新しい要素もないですね。
主人公は、英雄と呼ばれた人間の身代わりを扮しているんだし、それについてもっと葛藤や苦悩をしてウンウン唸ってくれてもよかったんだけどね。基本性格がチンピラで、積極的に好感を持てそうなキャラではない。
作者ブランドだけで売るとなると辛いシリーズになるかも知れません。




